経営・戦略

2026.08.17 13:30

Umiosがサバとシシャモの縦割りを破った組織改革。新経営陣が語る

安田大助|Umios代表取締役社長執行役員(写真左)・池見 賢|Umios代表取締役会長(同右)

安田大助|Umios代表取締役社長執行役員(写真左)・池見 賢|Umios代表取締役会長(同右)

国内首位の規模を持つ水産最大手が、次の100年へかじを切る。社名を「Umios」に改め、並び立つ二頭体制は強みをどう生かすのか。縦割りを崩して消費者へ近づき、規模を利益へと変える改革に挑む。

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売上高1兆1000億円企業が変貌を遂げようとしている。水産最大手のマルハニチロは、2026年3月に社名を「Umios」に変更し、本社を高輪ゲートウェイシティに移転した。さらに4月には経営体制を刷新。変革を主導した代表取締役会長の池見賢、新たに代表取締役社長に就任した安田大助のCEO・COO体制となっている。

課題は稼ぐ力だ。26年3月期は増収増益と好調だったが、営業利益率は2.8%と競合に比べて低く、規模を生かしきっていない。それだけ上昇余地があるといえるが、新生Umiosでどのように成長を目指すのか。ツートップに話を聞いた。


──マルハニチロはマルハとニチロが07年に統合して誕生。なぜ今社名変更を?

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池見:20年に社長を拝命して以降、当社は本当に強い組織なのかという疑問があった。マルハニチロは、お互いの強みが違う会社が一緒になった。その強みを生かす戦略だったが、強みを生かそうとすれば強いものが勝ってしまう。例えば食品事業でいうと、冷凍食品は旧ニチロが強く、缶詰やソーセージは旧マルハが強い。そのためそれぞれに最適化したシステムが残り、人材の流動性にも欠けていた。縦割りの弊害だ。これからは足し算ではなく、かけ算で組織を強くしていく必要がある。

外的要因もあった。世界は魚の需要が拡大しているが、日本は逆に減っている。わが社の売り上げの約75%は日本。これからもずっと日本を主戦場にしていくことは難しい。また、世界で需要が伸びる一方、気候変動問題で天然水産資源が減っているという現実もあり、新たな戦い方を見つける必要がある。これまでは「グローバルで認知される総合食品企業」を標榜してきたが、100年先まで存続したいなら、グローバルでアイデンティティを見直さないといけない。

オランダのグループ会社は、「シーフードコネクション マルハニチログループ」と表示していた。社名変更に当たって「シーフードコネクション Umiosグループ」に変えてほしいと話したら、もとの社名を捨てて「Umiosフードヨーロッパ」に刷新した。売上1200億~1300億円の海外グループ会社が自ら決断をしてくれたのは涙が出るほどうれしかった。

利益率改善への期待

──中計(2026年3月期~2028年3月期)では営業利益400億円を掲げる。進捗はどうか。

安田:経営統合時の目標である営業利益300億円を、ようやく25年3月に達成した。中計1年目である26年3月の営業利益は312億円。本社移転などに要した一過性の費用を除けば、330億円以上の計算だ。今の取り組みを継続していけば、400億円は通過点になる。

池見:成長投資1400億円を計画しているが、その投資がもたらす収益は今の中計に反映していない。営業利益400億円は、これまでのやり方をブラッシュアップしていけば十分に達成できると確信している。問題はその先だ。これまでの延長線上では倍の成長は難しい。次のステップに向けて、組織変革や成長戦略をやり切る準備を今やらなければいけない。

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文=村上 敬 写真=ヤン・ブース

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