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2026.07.29 12:00

中国の最新AI「Kimi K3」が示す、オープンウェイトモデルへの収束

JUN LI - stock.adobe.com

米企業で進む導入──DoorDashやCoinbaseなどが業務に採用

導入状況のデータからは、米国企業がKimiモデルを本番業務のワークフローに組み込みつつあることがわかる。DoorDashは社内利用にKimiを採用し、比較的単純なタスクにはKimiを、高度な処理にはAnthropicのFableを使うという使い分けをしている。Coinbaseも、社内でKimiを使っていることを認めている。スペースXが買収したコーディング支援スタートアップのCursorは、Kimiモデルを基盤に自社製品を開発した。APIマーケットプレイスのOpenRouterのデータによれば、今や同プラットフォーム上で米国企業が消費するトークンの約60%を中国のAIモデルが占めている。

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エヌビディアのフアンCEO、中国製AIの利用を認めるべきとの立場

エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、米メディアAxiosのインタビューで「これらの中国製モデルは優秀だ」「優秀なオープンウェイトモデルは使われるべきだ」と述べ、米国企業による利用は「絶対に」認められるべきだとの立場を示した。AIワークロード向けハードウェアの最大の供給元であるエヌビディアがこうした立場を示したことは、企業顧客のインフラ選定に対して重みを持つ。

リサーチやウェブ閲覧のベンチマークでクローズドモデルを上回る

Kimi K3は、オープンウェイトモデルとして初めて2兆8000億パラメータに到達した。896個の「専門家」を備えたMoEアーキテクチャを採用し、推論のたびにそのうち16だけを動かすことで計算効率を保っている。さらに、ハイブリッド線形アテンション機構(入力のどの部分に注目するかを効率よく計算する仕組み)であるKimi Delta Attention(KDA)を実装しており、100万トークン規模のコンテキストでのデコード(文章生成)速度を6.3倍に高めている。

クローズドモデルとの比較は、具体的な数値で示せる。実際のリサーチやウェブ閲覧の能力を評価するベンチマーク「BrowseComp」では、Kimi K3が91.2点を記録し、Claude Fable 5の88.0点、GPT-5.6 Solの90.4点を上回った。

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1回の評価試行にかかる費用は、Kimi K3「約758円」でFable 5は「約2186円」に

コーディングのベンチマークでは、コストの差が大きい。1回の評価試行(ロールアウト)にかかるコストは、Kimi K3が4.65ドル(約758円。1ドル=163円換算)であるのに対し、Claude Fable 5は13.41ドル(約2186円)。452回の試行をすべて実行した場合の総コストは、Kimi K3が2103ドル(約34万2789円)、Claude Fable 5が6010ドル(約97万9630円)となる。このベンチマークにおいてKimi K3は、1ドルあたり2.8倍多くのタスクを解いている。

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翻訳=酒匂寛

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