宇宙

2026.07.28 15:00

「バックムーン」の満月が昇り2つの流星群が極大に、水星も見ごろを迎える今週の夜空

米バージニア州で、7月の満月「バックムーン」を横切る飛行機。2025年7月11日撮影(Celal Gunes/Anadolu via Getty Images)

米バージニア州で、7月の満月「バックムーン」を横切る飛行機。2025年7月11日撮影(Celal Gunes/Anadolu via Getty Images)

2026年7月は、夏の天体観測の花形と呼べる2つの現象で幕を閉じる。「牡鹿の月」の異名をとる満月が昇り、その月明かりが残る中で「みずがめ座δ(デルタ)南流星群」と「やぎ座α(アルファ)流星群」が極大となるのだ。流星群の観測条件としては理想的とはいえないが、来月が見ごろの「ペルセウス座流星群」もすでに流れ始めているので、「夏の流星シーズン」を楽しむきっかけになるだろう。早起きの人には、月が替わってすぐ、小さな水星を観測するチャンスもやってくる。

7月を見送り、8月を迎える1週間の星空の見どころを紹介する。

7月29日(水):バックムーンの満月

北米先住民の農事暦で「バックムーン(牡鹿の月)」と呼ばれる7月の満月は、日本時間午後11時36分に満月の瞬間「望」となる。見ごろは月の出の時間帯で、太陽が沈むのとちょうど入れ替わりに明るい満月が昇ってくる。

まもなく近日点に到達する「テンペル第2彗星(10P/Tempel 2)」は今夜、やぎ座にある球状星団M30の付近に位置している。最もよく見えるのは南半球からとなる。

テンペル第2彗星(10P/Tempel)。2026年7月26日、イタリアのカスティリオーネ・デッラ・ペスカイアにて90分露光で撮影(Coratti andrea, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons)
テンペル第2彗星(10P/Tempel)。2026年7月26日、イタリアのカスティリオーネ・デッラ・ペスカイアにて90分露光で撮影(Coratti andrea, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)
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7月31日(金)~8月1日(土):2つの流星群が極大

「みずがめ座δ南流星群」と「やぎ座α流星群」が今夜、ともに活動のピークを迎える。米国流星学会(AMS)によると、みずがめ座δ南流星群は1時間あたりの流星出現数が25個、やぎ座α流星群は5個とされる。

米ワシントン州にあるセントヘレンズ山上空を流れる「みずがめ座δ南流星群」の流れ星と天の川。左手奥にオレゴン州の最高峰フッド山が見え、同州最大の都市ポートランドの街明かりがセントへレンズ山の後背を照らしている(Diana Robinson Photography/Getty Images)
米ワシントン州にあるセントへレンズ上空を流れる「みずがめ座δ南流星群」の流れ星と天の川。左手奥にオレゴン州の最高峰フッド山が見え、同州最大の都市ポートランドの街明かりがセントへレンズ山の後背を照らしている(Diana Robinson Photography/Getty Images)

8月2日(日):水星が西方最大離角

太陽系で最も小さな惑星である水星が「西方最大離角」となる。見かけの位置が太陽から最も離れ、日の出前の短い間だが探しやすくなる。

水星が西方最大離角(国立天文台)
水星が西方最大離角(国立天文台)

バックムーンの満月が導く今夏のハイライト

29日の夕暮れ時に、南東の視界が開けた場所にいられるなら、身近に味わえる幻想的な星空の絶景を楽しむ絶好の機会だ。濃いオレンジ色に輝く満月が地平線や水平線から顔を出す瞬間を、ぜひ堪能してほしい。

7月の満月。バルト海のグディニャ近郊のオルウォボにて(stock.adobe.com)
7月の満月。バルト海のグディニャ近郊のオルウォボにて(stock.adobe.com)

牡鹿の角が生え替わり、立派に伸びてくる季節にちなんで北米先住民が「バックムーン」と名付けた7月の満月は、今年指折りの天体ショーである8月12日の皆既日食(日本では見られない)のちょうど2週間前に昇る。この皆既日食は、毎年恒例のペルセウス座流星群の極大と重なり、月明かりのない暗い夜空の下で1時間あたり約50個の流れ星が見られそうだ。

さらに2週間後の8月28日には「スタージョンムーン(チョウザメの月)」の満月が昇る。この満月は最大96%が地球の影に入り、ほぼ皆既月食に近い部分月食が北南米、欧州、アフリカを横断する(こちらも残念ながら日本では見られない)。食の最大時には、月面の大部分が赤みを帯びた色に変わる。

月明かりの下で流星を観測するコツ

流星群の観測は「数の勝負」と見なされがちだが、そんなことはない。バックムーンの満月が2日前に昇ったばかりで月明かりが強くても、明るい流星なら見ることができる。月とは反対側を向き、可能であれば建物や木の影に位置取りをして、月が視界に入らないようにすればいい。

ペルセウス座流星群とやぎ座α流星群の活動期間中に夜空を横切る流れ星。米ウェストバージニア州スプルース・ノブにて2025年8月3日、30秒露光で撮影(NASA/Bill Ingalls)
ペルセウス座流星群とやぎ座α流星群の活動期間中に夜空を横切る流れ星。米ウェストバージニア州スプルース・ノブにて2025年8月3日、30秒露光で撮影(NASA/Bill Ingalls)

みずがめ座δ南流星群は7月12日頃から8月23日頃まで活動し、7月30~31日頃に極大を迎える。母天体は「マックホルツ第1彗星(96P/Machholz)」で、地球の軌道が通過する内太陽系に塵の雲を残している。みずがめ座δ南流星群はあまり明るい流星群ではないが、同時期に極大となるやぎ座α流星群は、流星数こそ1時間あたり約5個と少ないものの「火球」と呼ばれる特に明るい流星が流れることが多い。

今後の夜空の見どころ

「バックムーン」の満月から2週間後の8月12日(日本時間13日未明)、新月が太陽を完全に隠す皆既日食が起こる。月の本影が通る皆既帯は、グリーンランド東部、アイスランド西部、スペイン北部を横断し、晴れていれば最大2分18秒間にわたり太陽のコロナが見られる。欧州のその他の地域と北米では、部分日食が観測できる。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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