アップルからの半導体調達打診が取り沙汰される中国のメモリー大手CXMT(長鑫存儲技術)が、米国時間7月27日に華々しい株式上場を果たした。AIブームに伴う需要急増の中、サムスン電子、SKハイニックス、マイクロン・テクノロジーといった主要競合に歩調を合わせる形で株価は急伸し、一時、中国本土の上場企業としては時価総額で首位に躍り出た。
27日、CXMTの株価は初値から466%高と急騰し、49人民元(約7.24ドル)で初日の取引を終えた。
取引時間中、CXMTの時価総額は一時5470億ドル(約89.16兆円。1ドル=163円換算)に達し、IT大手のテンセントを一時的に抜いて中国の上場企業として首位に立った。
取引終了時点では香港市場に上場するテンセントが首位を奪還したものの、CXMTの時価総額は約4900億ドル(約79.87兆円)となり、中国本土の上海A株市場に上場する企業としては現在も首位の座を維持している。
同社は今回の上場で67億株を売り出し、少なくとも85億ドル(約1.39兆円)を調達した。2010年の中国農業銀行の上場以来、中国企業としては最大規模の上場となった。
ブルームバーグによると、同社の新規株式公開(IPO)の応募倍率は212倍に達した。6月に史上最高記録を更新したスペースX(応募倍率4倍超)を大幅に上回る加熱ぶりだ。
CXMTの時価総額、SKハイニックスやマイクロンなど世界大手には及ばず
この記録的な上場にもかかわらず、CXMTの4900億ドル弱(約79.87兆円)という時価総額は、競合するSKハイニックスの8810億ドル(約143.6兆円)やマイクロンの1兆ドル(約163兆円)と比較すると依然として低い。また、メモリー最大手の一角を占めるサムスン電子の時価総額は1兆1000億ドル(約179.3兆円)に達している。高速なメモリー半導体に対する需要増大を受け、これら3社の時価総額はいずれも急増した。SKハイニックスも7月初旬、米国市場への上場で265億ドル(約4.32兆円)を調達したばかりだ。
アップルが中国製メモリーの調達を検討する理由
AIブームに伴うメモリー半導体の需要爆発は家電や電子機器分野に深刻な影響を及ぼしており、スマートフォン、ノートPC、家庭用ゲーム機などのメーカーは値上げを余儀なくされている。6月、アップルはMacやiPadなどの製品群を一斉に値上げすると発表した。この値上げに先立ち、ウォール・ストリート・ジャーナルから中国製メモリーを調達する可能性について問われたアップルのティム・クックCEOは、「すべての選択肢を検討する必要がある。あらゆる供給源を検討すべきだ」と回答していた。
中国軍との関係が疑われ、米国防総省のブラックリストに掲載
CXMTは現在、中国軍との関係が疑われるとして米国防総省のブラックリストに掲載されている。しかしフィナンシャル・タイムズは6月、アップルが同社製メモリー製品の購入に向け、禁輸措置の適用除外を求めてトランプ政権へのロビー活動を行っていると報じていた。



