仏高級ブランドグループ「LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」のベルナール・アルノー会長兼最高経営責任者(CEO、77)は27日、ソーシャルメディア(SNS)に初めて投稿し、仏紙ル・モンドの幹部宛てに送った3ページにわたる書簡を公開した。LVMHの後継者争いが激化していると報じられる中、同社のアルノー会長と後継候補者間の緊張関係について、ル・モンドは6回にわたる暴露記事を掲載していた。
同紙は、アルノー会長の高級ブランド帝国、同会長の商才、政治的影響力、メディア支配、芸術振興活動、納税額、そして24日に掲載された最終回では、5人の子どもたちの間で繰り広げられている後継者争いについて、6回にわたる連載記事を掲載した。
これに対し、LVMHは26日、メディアや一般大衆に対して直接発言することはめったにないアルノー会長による3ページにわたる反論を公開した。その中で同会長は、ル・モンドの記事の内容について皮肉を交えながら辛辣(しんらつ)に批判。まず、ル・モンドがアルノー一族を「フランス最後の王室」と表現したことを嘲笑した上で、同紙が半年に及ぶ取材と6ページにわたる見開き記事という膨大な資源を自身に関する報道に費やしたことに対し、皮肉を込めて感謝した。
アルノー会長は、自身の政治的影響力やビジネス慣行、家族関係に関する記事の内容に異議を唱え、ル・モンドが自身とLVMHを不当に批判したと指摘した。同会長は、同紙が他の富豪(特に仏高級ブランド「シャネル」を所有するベルテメール一族)をアルノー一族より好意的に描いていると非難し、後継者争いが「LVMHの核心にある毒」だという主張を否定した。その上で、アルノー会長はこう締めくくった。「私に関してはご安心ください。私は今後もル・モンドのクロスワードパズルを解き続けます。どれも素晴らしいものですから」
ル・モンド側はアルノー会長の書簡に対して公に回答していないが、修正や削除を加えることなく、一連の記事をウェブサイト上で引き続き公開している。
アルノー会長がX(旧ツイッター)に投稿したのは今回が初めて。その中で同会長は、世間の反応に「深く心を動かされた」と記した。



