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2026.07.31 14:15

玄関に乾燥タラを吊るす。韓国の若い世代に広がる「運テリア」ブームとは

最近、韓国の若い世代の間で、玄関先に干した「明太(ミョンテ)」(乾燥させたスケトウダラ)を吊るしたり、丸くふくよかな白磁の丸壺「月壺(タルハンアリ)」をリビングに飾ったりする光景が目立つようになった。

ソウルの雑貨チェーン「ダイソー」では、旧正月シーズンに「風水インテリア企画展」が組まれ、光沢のある月壺のオブジェや、魔除けの意味を持つ護符柄のグッズが棚に並んだ。

SNS上では、こうしたアイテムを組み合わせたインテリアが、「運(ウン)+インテリア」を略した造語「運テリア」として拡散され、引っ越し祝いや開業祝いの定番の贈り物ともなっている。

このほかにも、玄関に生命力のある観葉植物を置く、葉が丸く硬貨のような形をした「金銭樹」を飾る、浄化を目的に塩を器に盛って暗がりに置く、といった小さな風水実践がSNSでたびたび紹介され、それぞれに「これで金運が上がった」という体験談がコメント欄に軒なみ並んでいる。

値段も数千ウォンから買える手頃なものが多く、大掛かりなリフォームをせずとも「今日から始められる」手軽さが支持されている。

これらの現象は、一見すると単なる伝統回帰やレトロブームに見えるかもしれないが、この現象の背景には、韓国社会特有の不安心理と、伝統的な民間信仰が現代的な形で「消費」されていくプロセスが透けて見える。

明太と月壺のそれぞれの意味

まず、なぜ「乾燥タラ(明太)」なのか。韓国では古くから、卵を多く抱え、乾燥させれば長期保存できる明太は、財運や多産、長寿の象徴とされてきた。

また、干からびて硬くなったその姿が邪気を打ち払う力を持つと信じられ、玄関や門の上に吊るすことで、外から入ってくる邪悪な気を遮断し、福を呼び込むという風習が伝えられてきた。

赤い紐で結んで吊るせばさらに効果が高まるとも言われ、一定期間を過ぎたら燃やしたり土に埋めたりして「浄化」する古くからの習わしも存在する。

一方の月壺は、朝鮮後期につくられた白磁の壺で、左右非対称のふっくらとした丸い形が特徴だ。もともとは芸術品や骨董品として評価されてきたが、近年は単色画や余白の美を重んじる現代美術的な感性とも結びつき、「引き算のインテリア」の象徴的なアイテムとして再評価されている。

風水的には、丸く欠けのない形が「満ち足りた福」を意味し、玄関や居間、寝室のたんすの上などに置くと金運や夫婦円満をもたらすとされる。

特に居間の中心となる飾り棚やソファの後ろに置けば家族全員に福が行き渡り、夫婦の寝室に置けば入ってきた財が外に漏れず安全に積み重なっていく、といった具体的な「置き場所指南」までもがネット上のコラムやショート動画で詳しく紹介されている。

国立中央博物館で月壺の展示に多くの若者が足を運ぶようになったことも、この器物が単なる骨董品ではなく「今っぽい」アイテムとして受け入れられている証左だろう。

明太や月壺の設置は目新しい現象ではなく、韓国の家庭に古くから息づいていた民間信仰なのである。ではなぜ今、これほど注目を集めているのか。

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文=アン・ヨンヒ

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