古い民間信仰を現代的に翻訳して
対面が苦手な若い世代にとっては、YouTubeやアプリを通じた非対面の占いサービスは相性がよい。これらの動画は工程がシンプルで時間を取られず、結果を画面に保存して友人と気軽に共有できる手軽さも人気の理由だという。
明太を玄関に吊るすことも、月壺を居間に置くことも、タロットカードを引くことも、根底にある心理は驚くほど似ている。それは、自分の力だけではコントロールできない未来への不安を、何らかの形で和らげたいという欲求である。
長引く就職難、住宅価格の高騰、先の見えない経済状況など、努力だけでは報われるとは限らないという実感が広がる社会では、「せめて家の中だけでも運気を整えたい」「専門家に少しだけ背中を押してほしい」という心理が生まれやすい。
興味深いのは、こうした行為に携わる若者たちの多くが、それを「盲信」ではなく「エンターテインメントであり、緩やかな自己理解のツール」として位置づけているという点だ。
四柱推命は生まれ持った気質や適性を知る手がかりとして、タロットは目先の決断を後押ししてくれる気軽な相談相手として、それぞれ役割を使い分けている。
ある大学教授は取材に対し、将来への不安が強いほど占いに「確答」を求めがちになる一方、占いに依存しすぎると自ら道を切り開こうとする意志が弱まりかねないと注意を促している。
それでも多くの利用者にとってこれは真剣な信仰というより、不安な心を軽くするための、ゆるやかな「お守り」に近い感覚なのだろう。
玄関の明太魚から街角のタロットカードまで、形は違えども、韓国の若者たちは、今、古い民間信仰を現代的な言葉と手軽な消費行動に翻訳しながら、先の見えない時代を生き抜くための小さな安心材料を探し続けている。


