宇宙

2026.09.17 16:00

NASA月面着陸計画に致命的欠陥、宇宙飛行士が救助不能で取り残される恐れも

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米航空宇宙局(NASA)が策定した次回の有人月面着陸の基本計画には、2028年に月面に降り立つ予定の最初の米国人宇宙飛行士にとって致命的となりかねない根本的な欠陥がある。宇宙機関を監督するために議会から権限を与えられた独立した監視機関である、NASA監察総監室(OIG)の専門家らがそう指摘している。

月の南極探査をめぐる競争が進むなか、彼らは次のように述べている。「NASAはアルテミス(月)計画において壊滅的な事態の発生を防ぐための措置を講じているが、将来のどこかの時点で、宇宙飛行士が宇宙で生命を脅かす緊急事態に遭遇する可能性は高い」

しかし、NASAの着陸計画の下では、「宇宙飛行士が宇宙空間や月面で生命を脅かす緊急事態に遭遇した場合、NASAには取り残された乗組員を救出する能力がない」と彼らは警告している。

NASAのハイリスクな計画では、月探査の先陣を切る宇宙飛行士たちが、着陸用のパッドも存在しない、巨大な岩が散乱しクレーターが点在する危険な領域へと降り立つことを想定している。

着陸船が横転した場合、着陸地点に事前に待機している緊急宇宙船はなく、避難するための酸素が充填された居住施設(ハビタット)やローバーさえ存在しない。

これまでのところ、NASAは、宇宙飛行士を月周回軌道から月の南極付近まで運ぶ任務を請け負ったBlue Origin(ブルーオリジン)とSpaceX(スペースX)のいずれに対しても、地球から月面の遭難現場へ急行し、宇宙飛行士の命を救うことができる予備の着陸船を製造することすら求めていない。

月探査へ派遣される21世紀最初の米国人たちを犠牲にしないために、NASAは着陸計画の全体構造を根本から見直し、そこに救出作戦を組み込むべきである、と宇宙分野の世界的有識者が指摘する。具体的には、数十億ドルを投じて少なくとも1機の予備着陸船を月面に待機させておくことなどが考えられる。

「あらかじめ配置された予備の着陸船は、緊急時の避難所と自律的な上昇船の両方として機能できるため、月面における救助能力として最も強力な手段のひとつになり得る」と、カナダを拠点とする有力シンクタンク「New Space Economy(ニュー・スペース・エコノミー)」の創設者であるブライアン・ハーレー(Brian Hurley)は語る。

ハーレーはForbesの取材に対して、Blue OriginとSpaceXがそれぞれ月面の墜落現場に「宇宙救急車」となる宇宙船を急行させられるようになるまで、宇宙機関は最初の有人月面着陸を延期することもできると語った。ただしそれは、月面着陸競争の第2幕で中国の宇宙飛行士(タイコノート)に敗れるリスクを伴う。

次ページ > 先に開発された着陸船に月面着陸ミッションを主導させる。

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