NASA組織内のみならず全米から歴代で最も人気があり卓越した長官の一人として称賛されているアイザックマンは、すでに米国の月探査の合理化と効率化に着手している。その一環として、月周回軌道に置かれる予定だった余剰な53億ドル(約8670億円)規模の宇宙ステーション「ゲートウェイ(Gateway)」を中止し、代わりにより経済的な月面拠点の建設を優先する決断を下した。これらは、2030年代には災害時の避難所としても機能する設計になっている。
アイザックマンは、ゲートウェイ計画の中止で浮いた資金の一部を、21世紀に月面を歩く最初の米国人宇宙飛行士の着陸地点周辺に配備する救助宇宙船の調達に振り向ける可能性がある。
OIGを率いる専門家らは、長期的な乗組員の生存戦略を含める形で、意思決定パッケージを含む乗組員の生存性分析を更新するよう勧告し、NASA指導部もそれに同意したと明らかにした。
NASAが月面着陸計画全体を通じて、先制的な救助宇宙船や技術、訓練の組み込みを遅らせ、初期の飛行のひとつが惨事に終われば、米国内外におけるNASAのイメージは瞬時に、そして根本的に変わるだろう。
「宇宙飛行士が救助の可能性がないまま月面に取り残されることは、NASA、アルテミス計画、そしてその国際パートナーにとって壊滅的な事態となるだろう」とハーレーは言う。
「おそらく長期にわたる調査と、その後の着陸の停止につながるだろう」
「調査の結果、実用的な避難所や生存能力が技術的には達成可能だったにもかかわらず、主にコストやスケジュールを理由に却下されていたと結論づけられた場合、その影響は特に深刻なものになる」
「実用的な救助手段がないまま月面に生きたまま取り残された乗組員は、ほぼ間違いなくNASAの歴史の中で最も重大で、大衆にトラウマを与える出来事のひとつに位置づけられるだろう」とハーレーはインタビューで語った。
「反発は計り知れないものになる可能性が高い」
「OIGの警告は、議会の公聴会やあらゆる調査において中心的なものとなり、NASAが合理的な救助オプションを適切に評価し、資金を提供していたかどうかに注目が集まるだろう」


