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2026.07.28 10:00

金価格が下落──その時、米ドルなどの通貨について何を示しているのか

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金価格の上下は、金自体ではなく通貨の価値の変化を示す

金(ゴールド)そのものが上がったり下がったりするわけではない。金価格の動きは、金の価格表示に使われる通貨がどちらへ動いているかを示している。

つまり、金を分析することは、実際には「ほかのもの」を分析することだ。世界中の市場が何世紀も前に金という黄色い金属を見いだしたのも、そのためである。

金は在庫と産出量の関係──既存の保有量が新たな供給量に比べて圧倒的に多いという独特のストック/フロー特性がある。そのため金という商品は、ほかの要因から最も影響を受けにくい。だからこそ、通貨の価値を測る物差しとして理想的なのだ。

貨幣は、生産物と生産物の交換を円滑にするために存在する。生産者は、自分が生み出したものと同じ価値のものを対価として求める。そのため、金によって価値を定義された貨幣は、理想的な形で取引を促進する。

金の本質は、その「不変性」にある。価値の乱れが少ない「低エントロピー」な貨幣の基準として、金が優れている理由もそこにある。

金が下がっているのは、ドルが上がっているということだ

米国時間7月27日の金価格は1オンス4082.78ドル(約66万5493円)である。1月に付けた史上最高値からは4分の1以上下げている。では、なぜ金価格は現在下落しているのか。言い換えれば、なぜドルの価値が上昇しているのか。

まったくの推測に基づく答えを示す前に、なかなか消えない金をめぐる1つの俗説を取り上げておきたい。多くの人が「インフレ」と誤認している市場価格の上昇に反応して、金価格も上がるはずだという考え方だ。あるいは、その逆も成り立つという。これはまったくの誤りである。

繰り返すが、金そのものが動くわけではない。金価格が上がっているなら、それはドルの価値が下がっているということであり、そのドル価値の下落こそがインフレである。市場価格の上昇は、よくてもインフレの結果にすぎない。

物価が上がったから金価格も上がるはずだという主張は、歩道が濡れたから雨が降ると言うようなものだ。雨を降らせるのは雨であり、濡れた歩道ではない。同様に、インフレとは通貨単位の価値が縮小することである。濡れた歩道や市場価格の上昇は、原因ではなく結果なのだ。

したがって、市場価格の上昇に根差した「インフレ圧力」が表面化する一方で、金価格が下がることは何ら不自然ではない。

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翻訳=酒匂寛

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