1981年、コニー・リッシュワースは、カンザス州オレイサのFirst National Bank of Olatheで融資担当者と向き合っていた。彼女には6年のフランチャイズ経験があり、事業計画にも十分な説得力があった。それでも銀行側のメッセージは明確だった。彼女は初等教育の学位を持っており、「本当に」会社を経営しているわけではない、というのである。夫が署名しなければならなかった。「融資を完済したらコルベットを買うと約束して、夫を説得しなければなりませんでした」と彼女は振り返る。
それから40年後、彼女の娘キャンディス・シャムは、Culligan Water of Greater Kansas CityのCEOを務めている。シャムの指揮下に入ってからの6年間で、売上高は800万ドル(約13億1000万円)から2200万ドル(約36億円)超へと144%増加し、従業員数は4人から、カンザス州とミズーリ州の30郡にまたがる80人へと拡大した。これにより同社は、年間2000万ドル(約32億8000万円)以上を生み出す米国の女性所有のミドルマーケット企業全体の2.4%に入る。彼女たちの物語は、きれいにまとめられるようなブートストラップの成功譚ではない。成功するために実際に何が必要なのかを示す事例である。
融資には法的要件があった、男性の署名である
リッシュワースが直面した共同署名の要件は、銀行員の個人的な好みではなかった。法律に基づくものだった。1988年の女性事業所有法が成立するまで、多くの州では、女性が事業融資を申請する際に男性親族の共同署名を法的に求められていた。リッシュワースがSBA融資を受けたのは1981年で、その変更の7年前だった。
彼女が資金を得られたのは、銀行が5年間にわたって彼女の働きぶりを見ていたからである。障壁だったのは彼女の能力ではなく、法律だった。
父のフランチャイズの内側でも、状況は決してすっきりしたものではなかった。コニーには事業を運営する力があったにもかかわらず、兄が後継者として育てられていた。兄が重い病に倒れると、父は彼女のもとに戻ってきた。
彼女の最初の返答はこうだった。「以前にも一度やってみましたが、私たちは一緒にうまく働けません。だから、ありがとうございます。でも、お断りします」。父は約束した。自分は完全に身を引く、と。彼女は同意した。
彼女は4人の従業員とともに去り、許可を求めなかった
その交渉の前に、リッシュワースはすでに行動で意思を示していた。後継を巡る計算が明らかになると、彼女は4人の従業員とともに父のフランチャイズを離れ、Culligan Internationalの許可を求めることなくCulligan Bottled Water of Greater Kansas Cityを立ち上げた。彼女は父と同じ地域で競合ディーラーになった。フランチャイズでは通常、禁じ手とされる行為である。最終的に事業を統合したとき、彼女は1つではなく2つのフランチャイズ地域を手にしていた。
創業期に彼女を支えた味方は、ただ1人だった。オレイサの銀行の副頭取で、彼女の帳簿を一緒に見ながら、帳簿上は黒字でも手元に現金があることを意味しない理由を説明してくれた人物である。他に誰が味方だったのかと尋ねられると、彼女はきっぱりと答えた。「誰もいませんでした」
2000万ドル(約32億8000万円)に到達する女性所有企業は6004社にすぎない
The Wells Fargo Impact of Women-Owned Businesses(ウェルズ・ファーゴによる女性所有企業の影響に関する報告)によると、女性は米国企業全体の40.6%を所有し、1260万人を雇用し、2兆8000億ドル(約459兆円)の売上高を生み出している。これらの数字は大きく聞こえるが、経済的な重みとして何を意味するのかを見ると様相は変わる。女性所有企業が全国の企業売上高全体に占める割合はわずか4.6%であり、従業員を雇用する男性所有企業の年間平均売上高が460万ドル(約7億5400万円)であるのに対し、女性所有企業は160万ドル(約2億6200万円)にとどまる。
パイプラインは徐々に細くなるのではなく、急激に落ち込む。米国企業全体に占める女性の所有比率は約40%から始まり、売上高100万ドル(約1億6400万円)の段階で13.7%に低下し、2000万ドル(約32億8000万円)以上では2.4%まで崩れ落ちる。この水準では、男性が所有する企業は22.5%を占める。
国内にある女性所有の雇用主企業140万社のうち、売上高100万ドル(約1億6400万円)以上を生み出す企業は27万3000社にすぎず、ミドルマーケットの領域に入った企業はおよそ6000社である。Culligan Water of Greater Kansas Cityはその1社であり、そこに到達するには、シャムが迷いなく挙げられる3つの決断が必要だった。
2200万ドル(約36億円)への成長を支えた3つの決断
シャムは2019年にCEOに就任した。リッシュワースが現場から退くと、長年勤めてきたチームメンバーの何人かも去った。それは、シャムが新しい発想を持つ人材を迎え入れるために必要としていた機会だったと、彼女は認める。「実際、私にとって物事が本当に動き始めたのはそのときでした」と彼女は語った。
人材に関する彼女の統治原則は明確だった。「私は常に、自分より賢い人たちが社内に必要だと信じていました」。彼女が引き継いだゼネラルマネージャーは、新しいアイデアに反射的に「ノー」と言う人物だった。彼が去ると、シャムはスターぞろいのチームを築いた。
銀行との対話を変えた採用
彼女が最初に経営幹部として採用したのはCFOのエイミー・クラーディだった。シャムがその職務をフルタイムで雇う余裕がないと考えていたため、当初はフラクショナル人材として迎え入れた。クラーディはすぐにフルタイムの地位を獲得した。彼女は同社と融資機関との関係を変え、さらに2人の経営幹部、営業ディレクターと元軍人のオペレーションディレクターを採用するための財務上の根拠を整えた。後者についてシャムは、「入社して波風を立て、全員を怒らせた」うえで、成果を出したと語る。現在、この4人は5年、7年、10年の時間軸で計画を立てている。
2023年のミズーリ州セントジョセフでの買収も、同じパターンをたどった。シャムは何年にもわたり、その販売店のオーナーに隔月で電話をかけ、昼食に誘い、待ち続けた。相手が売却する準備を整えたものの、事業価値を上回る金額を求めたとき、彼女は建物について売り手金融の形で取引を組み、利息が銀行ではなく売り手に渡るようにした。「今でも毎月、郵便で小切手を送っています」と彼女は語った。
構造上の問題はいまだに残っている
ラスベガスや沿岸部で開かれるCulliganの専属ディーラー向けリーダーシップ会議で、リッシュワースは唯一の女性単独オーナーだった。「8人から10人の男性のグループの中で、女性は私だけでした」と彼女は振り返る。彼女は穏やかに身を引いた。
40年後、シャムがYPO(若手社長組織)に参加した際、あるリクルーターは、そのフォーラムは女性がいることを歓迎していると話した。「異なる視点が加わる」からだという。彼女の即答はこうだった。「私は数合わせ(トークン)にはなりたくありません」。彼女は複数のフォーラムを見て回り、他に2人の女性がいる場を見つけた。
現在、女性は米国のフランチャイズの30〜31%を所有しており、10年前の20.5%から上昇している。前進は現実のものだ。同時に、水処理のような分野に残る構造的な孤立もまた現実である。進歩と根強い不利は、互いに排他的なものではない。これまでもそうだったことは一度もない。
彼女はそれを押し込み、進み続ける
シャムに、これまで口に出したことのないものは何かと尋ねると、彼女ははぐらかさない。インポスター症候群、不安、恐れ。こうした感情が表面化すると、彼女はそれらに名前を与え、前へ進む。「それらを押し込んで、とにかく進み続けます」と彼女は言う。さらに彼女は、「母親であり、事業主であることがこれほど大変だとは思ってもいませんでした」と付け加えた。彼女には10代の子どもが3人おり、ハロウィーンパーティーを欠席し、PTAの会合にも出られなかった。目標は、売上高を再び倍増させることである。
リズ・マローンは、31年にわたるCulligan KCの顧客であり、2世代の経営を見てきた。30年にわたり、彼女の家族は、主な水源として使っている池の水が安全であることを証明するためにCulliganを頼ってきた。「看護師として、私は人のケアにキャリアを捧げてきました」とマローンは言う。「そして迷いなく言えます。コニーとキャンディスは、私がこれまで出会った中でも最も親切な人たちの中に入ります」
女性所有企業は米国企業全体の40.6%を占めながら、全国の企業売上高全体の4.6%しか生み出していない。その成長を制限しているものについて、The Wells Fargo Impact of Women-Owned Businessesは、「野心や能力に根ざすものではなく、彼女たちが進まざるを得ない不均衡な競争環境にある」と結論づけている。
コニー・リッシュワースはコルベットを約束し、会社を築いた。キャンディス・シャムはそれを受け継ぎ、2倍以上に成長させた。次世代の女性たちは、それをさらに先へと進めていくだろう。



