経営・戦略

2026.07.27 08:32

企業が新市場参入で誤解していること、そして新たな勝ち筋を見つける方法

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地域市場を攻略した多くのビジネスリーダーにとって、事業拡大は夢である。広く知られたブランド、強固な評判、忠実な顧客基盤があれば、新たな地域や業界でも成功が自然に続くように見えるかもしれない。だが、拡大はめったにそれほど単純ではない。

ある市場で顧客の心に響いたものが、別の市場ではまったく通用しないこともある。多くの経営幹部は、ポジショニング、顧客の期待、地域での信頼性が成長にいかに大きな影響を与えるかを見くびっている。そして、認知と信頼を獲得するプロセスをまた一からやり直さなければならないことに、期せずして気づくのだ。ゼロからの立ち上げではないにせよ、リーダーには新たな視点で機会を捉え、メッセージングとアプローチを再評価し、物事の進め方に目を向け直すことが求められる。

新市場に適合するためのリポジショニング

事業拡大には、業務面の準備以上のものが必要である。リーダーはしばしば、採用、物流、施設、営業インフラに注力し、これまで成功を支えてきたマーケティング戦略がそのまま通用すると考えがちだ。実際には、拡大によって、異なる市場の顧客が同じ製品、サービス、企業をまったく別の視点で見ていることが明らかになる場合がある。

重要な医療テクノロジーである遠隔医療を例に見てみよう。新市場に参入する企業は、他地域で普及を後押ししたのと同じ価値提案を前面に出すかもしれない。しかし、異なる顧客層は、同じソリューションをさまざまな理由で受け入れることが多い。農村部では、遠隔医療は本来なら長距離移動を必要とする医療へのアクセスを意味する可能性がある。都市部では、予約の難しさや待ち時間を減らす利便性として捉えられるかもしれない。顧客セグメントも大きく異なり得る。多忙な専門職は効率性を重視する一方、退職者は医師へのアクセスや継続的なケアをより重視することがある。

次に、地元で大繁盛している小売ブティックを考えてみよう。フラッシュセールのたびに店の外に行列ができることに、オーナーは慣れている。なぜなら、その店名が品質と希少性の代名詞となっているからだ。しかし新市場では、顧客がそのブランドをわざわざ探す価値をすでに理解している場合にのみ、希少性が需要を生むのだと、オーナーはすぐに気づくことになる。

どちらのシナリオでも、ブランド価値が新市場へ自然に持ち込まれるわけではない。提供するものは同じでも、リポジショニングが必要になる。

新たな顧客を評価する

長年にわたり成果を上げてきた企業は、豊富な経験から恩恵を受けている。創業者が最初から、自社の価値を伝える完璧な言葉選びや方法を見つけていたとは考えにくい。そのアプローチは、戦略的な試行錯誤、顧客からのフィードバック、マーケティングや広告キャンペーンの結果を通じて、時間をかけて磨かれてきたものだ。

事業拡大に際してビジネスリーダーが犯す最大の過ちの1つは、新市場の顧客も同じ欲求、ニーズ、感情的反応、行動を持っていると考えることだ。そして、そのために同じメッセージング、施策、戦略が引き続き響くと想定してしまう。

その製品やサービスに強い市場ニーズがあることが明らかであっても、リーダーはなお、顧客の課題、地域市場の力学、競合に対する認識、購入者の動機を理解するために市場調査へ投資しなければならない。人口統計データだけでは全体像は見えない。見込み顧客との対話、フォーカスグループ、ソーシャルリスニング、競合分析は、ポジショニングの微妙な違いを明らかにする助けとなる。

ブランドメッセージングを新たな視点で見直す

継続的な成功を収めると、企業は自社のブランドメッセージングに強い愛着を持つようになる。しかし、新たな地域や業界に参入する際、マーケターはターゲット顧客の価値観、懸念、意思決定要因が異なる可能性を認識しなければならない。

実績ある施策や戦略に踏み込む前に、リーダーは自社のメッセージングの枠組みの中核要素を再評価する必要がある。具体的には次の通りだ。

価値提案:顧客がその製品やサービスを選ぶべき便益、成果、理由。

競争上の差別化:市場における競合代替案からブランドを際立たせる特質。

主要メッセージの柱:信頼性を補強し、価値を伝え、ブランド認知を形づくる中核的なメッセージ。

製品やサービスの説明は一貫していなければならないが、それがどのように適用され、認識されるかは再評価すべきである。

認知と信頼の違いを理解する

大きな規模で購買につなげるには、人々がブランドを知り、好感を持ち、信頼する必要がある。つまり組織は、リード獲得キャンペーンにすぐ着手する前に、認知構築の施策に注力する必要がある。

事業拡大の過程では、ターゲット広告キャンペーンの前、またはそれと並行して、戦略的パートナーシップ、広報、ソートリーダーシップ施策を活用し、第三者の評価を通じて信頼性を獲得することが企業にとって有益である。ブランドが知られておらず、感情的なつながりを生む可能性が低い場合、広告は同じようには響かない。まずは親近感と理解を高める取り組みに集中しなければならない。

単発のローンチではなく長期戦略を展開する

プレスリリース、新たなGoogle広告キャンペーン、単発のメール配信だけでは、持続的な成果に火をつけるには不十分だ。そうした施策は長期計画の最初の足がかりにはなり得るが、新市場では単発の話題づくりだけでは通常、十分ではない。

認知、信頼性、信頼を築くには時間がかかる。成功する事業拡大には、一貫したメッセージング、継続的な可視性、ブランド価値を補強する絶え間ない関係構築が必要である。ビジネスリーダーは、市場とその顧客への理解を深める中で、耳を傾け、学び、適応する準備をしておかなければならない。

成功する企業は、必ずしも最も強い製品、最大の予算、最も認知されたブランドを持つ企業ではない。成功するのは、思い込みに挑み、ポジショニングを磨き、アプローチを適応させる意思を持つ企業である。そうすることで、新たな勝ち筋を見つけ、持続可能な成長を生み出せる可能性ははるかに高まる。

forbes.com 原文

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