チームを率いるというのは、それだけで十分に骨の折れる仕事だ。メンバー全員をタスクに集中させるだけでなく、彼らをエンゲージし、鼓舞し、指導しなければならない。監督者、擁護者、変革推進者、相談相手といった役割を同時にこなしながらも、マイクロマネジメントに陥らないよう気をつけなければならない。しかし、そこにリモートチームを率いるという条件が加わると、従来の成功戦術が必ずしも通用するとは限らない。
一度も対面で会ったことのない相手と、どうやって信頼関係を築くのか。信頼とコミュニケーションもまた、乗り越えることが不可能に思える障害になりうる。さらに、チームが複数のタイムゾーンにまたがって非同期で働いている可能性も忘れてはならない。バーチャルなスタッフを率いるリーダーには課題が山積みだが、いくつかの工夫によってその課題は克服できる。以下、リモートチームを効果的にマネジメントするためのヒントを紹介する。
バーチャルで信頼を築く
対面のチームは恵まれている。ウォータークーラーの周りに集まったり、自然発生的にブレインストーミングを始めたりできる。物理的に近くにいることは、必要な情報の流れを保つだけでなく、仲間意識も育む。
リモートチームには対面ならではの利点はないものの、それでも信頼や関係性を築くことは可能だ。ただし、テクノロジーを含めて手元にあるツールを活用し、意識的かつ継続的な努力を払う必要がある。具体的な例としては、バーチャルランチやコーヒーブレイク、チームミーティングでの仕事以外の情報交換、グループ用のソーシャルメディアページなどが挙げられる。
社内のソーシャルメディアページは、メンバーが自分自身に関するちょっとした情報を投稿する専用スペースになりうる。Slackなどのプラットフォーム上に、非公式・公式のチームチャットを設けることもできる。こうした空間はオフィスのウォータークーラーの代わりとなり、メンバーが日常生活の話や仕事上の質問を交わす場となる。チームミーティング中はカメラをオンにし、ライブでの会話中に非言語的な合図や「物理的」な存在感が感じられるようにしよう。
明確な期待値を伝える
どのようなチームであっても、明確な期待値を設定することは不可欠だ。とりわけ、従業員がさまざまな場所からタスクに取り組んでいる場合、全員が同じ認識を持つことの重要性はさらに高まる。そうでなければ、単独プレーの集まりになってしまう。タスクや優先順位を揃えるのが難しくなり、プロジェクトやチームの結束が崩れる可能性が高まる。
明確に定義され理解できる目標がないことは、リモートチームが失敗する理由の一つだ。役割と責任の境界が曖昧なままでは、良い結果は期待できない。同様に、メンバーがゴール地点についてそれぞれ異なる考えを持っていれば、混乱が生じる。
メンバー全員がそれぞれ「自分がやるべきだ」と思うことをどれだけうまく実行しても、進捗は生まれない。過剰に感じるかもしれないが、目的に加えて期待される成果や成果物を明示しよう。プロジェクトのパイプライン内で各タスクを誰が担当するのかを定義する。勤務時間、引き継ぎの締め切り、チームコミュニケーションに関する期待値を明確にする。全社会議と1対1のミーティングの両方で期待値を確認する。そして、これらのミーティングを共有バーチャル空間に記録として残し、チームの誰もが必要なときに簡単に参照できるようにする。
テクノロジー・ツールを活用する
リモートワークは、ウェブベースのソフトウェアツールが登場する前から存在していたかもしれない。しかし、100%バーチャルのチームというのは決して一般的ではなかった。電話での会話に頼って重要な情報を交換し、タスクを進めていくというやり方では、チームを成功に導くことはできない。せいぜい、情報がバラバラになり、追跡が難しくなるのが関の山だ。
電子メールも同様の結果を招く可能性が高い。その代わりに、コミュニケーションやコラボレーションを向上させる進化したツールを活用すべきだ。こうしたツールは、チーム全員の協働プロセスを簡素化するのに役立つ。当然ながら、これにより無駄なやり取りに費やす時間を減らし、目の前にある重要な業務により多くの時間を割くことができるようになる。クラウドベースのタスク・プロジェクト管理ソフトウェアを検討しよう。さらに言えば、ビデオ会議、チャット、非同期コミュニケーション、プロジェクトベースの業務をすべて一元管理できるオールインワンのプラットフォームが理想的だ。
適切なツールがあれば、リモートチームは連携し、緊急の質問に対する答えを探し、同じ認識を共有することができる。成果物を提出してレビューを受けたり、プロジェクトの進捗状況を確認したり、自分が介入すべきタイミングを察知したりすることも可能になる。勤務形態やタイムゾーンが異なっていても、個々の従業員が高いエンゲージメントを維持し、必要な情報をやり取りできる。また、オールインワンツールは重要情報の整理にも役立つため、仮にリアルタイムの会話に参加できなかったとしても、誰もがすぐに状況を把握することができる。
バーチャルチームを成功に導くために
リモートグループを管理する際、リーダーは社内チームの結束だけに頼る必要はない。外部のベンダーと従業員との連携を調整することもあるだろう。これは管理をさらに複雑にする要因だが、実際に成功している例を私は見てきた。
ユタ州を拠点とする私のリモートチームの業務を、さまざまな州や国の外部委託業者やクライアントと同期させてきた経験が、それが可能であることを証明している。バーチャルでも信頼関係を築き、明確な期待値を伝え、タスクを効率的に進めることはできるのだ。ただし、そのためには適切なマインドセットとツールを導入する必要がある。



