欧州

2026.07.26 07:00

ロシアEC大手の倉庫はドローン攻撃でなぜ大火災になるのか 他国にも共通の新たな脆弱性露呈

ロシア・モスクワ州エレクトロスタリで2026年7月18日、大規模な火災が発生した大手ECサイト「ワイルドベリーズ」の倉庫でヘリコプターが消火活動を行う様子とされる画像。ソーシャルメディアで共有された動画から

ロシア人は、ワイルドベリーズは民間の組織であり、戦争努力とは無関係だと不満をこぼしている。だが、ウクライナ当局が指摘しているように、同社は「特別軍事作戦(SVO)」(ウクライナ全面侵略のロシア側の呼称)に従事する部隊にドローンなどの装備を直接供給してきた。ワイルドベリーズのサイトには「SVOに必要なものすべて」と題した販売ページもあり、無線機、FPV(一人称視点)ドローン用の光ファイバーリール、戦術防護服一式(ざっと500ドル=8万円程度)などが出品されている。

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このように軍民両用(デュアルユース)品が広く流通している世界では、ワイルドベリーズのような企業の物流倉庫や配送施設も攻撃目標になる。こうした物流システムは、小売業界に革命をもたらし、世界トップクラスのスケールメリット(規模の経済)を実現するとともに、消費者にかつてないほど豊富な選択肢と迅速な配送を提供してきたものだ。

問題は、きわめて効率的な消火設備を備えていない限り、こうした施設は今回みられたような壊滅的な火災に弱い可能性があることだ。店舗などの各施設が各地に分散した伝統的な小売業態の事業者を狙うのであれば、はるかに広範な攻撃が必要だろう。それに対して、燃えやすいものが大量に集積している巨大な集中型物流倉庫は、いまでは石油貯蔵タンクと同じように、ドローン攻撃の格好の目標になっているように見える。

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こうした物流倉庫を攻撃すれば、不釣り合いなほど大きな経済的損害を与えるだけでなく、オンライン小売業に依存するようになったサプライチェーン(供給網)の再編を余儀なくさせるなど、連鎖的な影響も引き起こすだろう。

立ちのぼる黒煙は、ロシアとワイルドベリーズにとってゆゆしい知らせだ。それは同時に、ほかの国々に対する警鐘でもある。

追記(7月24日):23日から24日にかけての夜、サンクトペテルブルク向け配送を担うワイルドベリーズの物流施設少なくとも2カ所も攻撃を受け、同様の被害が発生した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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