欧州

2026.07.26 07:00

ロシアEC大手の倉庫はドローン攻撃でなぜ大火災になるのか 他国にも共通の新たな脆弱性露呈

ロシア・モスクワ州エレクトロスタリで2026年7月18日、大規模な火災が発生した大手ECサイト「ワイルドベリーズ」の倉庫でヘリコプターが消火活動を行う様子とされる画像。ソーシャルメディアで共有された動画から

当初は燃えにくい商品のなかにも、危険なものになり得るものがある。ワイルドベリーズでは飲料も販売していて、「ウォッカ」のカテゴリーだけで数千点の商品がある。火災が進むと温度は400度を超え、瓶が割れ始める。その結果、中身が流出し、火災を連鎖的に広げていくことになる。

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だから、弾頭はただ火災を起こせばよいということになる。そのための手段として、高性能爆薬は効率的でない。今回の攻撃でどのような種類の弾頭が使用されたのかはわかっていない。一方、弾頭重量がFP-1と同クラスの40〜50kgであるロシアのシャヘド(ゲラニ)型攻撃ドローンが、焼夷効果のある弾頭をよく搭載していることは知られている。

シャヘドのもともとの弾頭は、殺傷性の破片を撒き散らす爆風破片型だった。その後、さまざまな弾頭が登場し、一部には焼夷要素が組み込まれている。これは普通、マグネシウムやジルコニウム、アルミニウムといった、点火すると激しく燃焼する反応性金属のブロックで構成される。こうしたブロックは炸薬の中に埋め込まれており、爆発時に周囲に飛散して各所で火災を発生させる。

ロシアの弾頭には、より高性能なGE30M焼夷剤が充填されたものもある。GE30Mは金属粉末と過塩素酸バリウムを混合したもので、過塩素酸バリウムは酸化剤として作用し、焼夷剤が確実に発火するようにする。また、一部の弾頭には金属水素化物が含まれているとされるほか、数は少ないものの、ナパームに似た液体焼夷剤を採用したタイプも報告されている

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50kg程度の弾頭は、純粋な爆発力という点ではけっして大きなものではない。それでも、多数の火災を発生させるには十分だ。しかも、大規模な物流倉庫は広大なオープンフロア構造になっている。攻撃を受けたモスクワ州エレクトロスタリの施設の面積は20ヘクタール以上ある。こうした構造では空気が自由に流れ込むため、いったん火災が発生すると急速に勢いを増し、広範に置かれている可燃物へ瞬く間に燃え広がっていく。

露呈した新たな脆弱性

攻撃後の現地の映像からは、この物流倉庫が灰燼に帰したことがわかる。損害額は数十億ドル規模に達し、保険金も支払われないらしい。最大の被害者は、ワイルドベリーズを通じて商品を販売していた事業者かもしれない。おそらく、廃業を余儀なくされる販売事業者も出てくるだろう。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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