経営・戦略

2026.07.25 15:27

マーケティング調達が変わる:代理店とクライアントの新たな関係

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代理店がクライアントの調達(プロキュアメント)担当役員と関わるのは、契約交渉のときだけであり、それ以外ではめったに顔を合わせない。そのような時代は、それほど昔のことではない。しかし現在、調達担当役員の役割は拡大しており、その存在感はかつてないほど高まっている。業界のイベントで見かける機会が増えただけでなく、あらゆる段階のミーティングに彼らが同席するようになっている。その理由は、マーケター側のニーズが変化したからだ。AIが業界を塗り替え、成果指標(パフォーマンス・メトリクス)が成功の鍵を握り、テクノロジースタックは絶えず変化している。マーケティング部門がこうした市場の変化に対応するなか、調達担当の業務範囲も並行して進化しているのだ。

代理店の立場から言えば、自らの価値を証明すべきだというプレッシャーにさらされており、成果物の品質と有効性に対する期待は高まる一方である。今日の代理店にとって、調達部門はマーケティングのインパクト創出を支援し、かつ代理店がその価値と有効性を示すのを助けてくれる「戦略的パートナー」として協働する機会が訪れている。

ここでは、代理店と調達部門の関係がどのように進化しているのか、そしてクライアント側でますます重要性を増すこの役割と代理店がどう協働すべきかについて、いくつかの視点を示す。

「価値ベースの価格設定」を受け入れる

調達部門のリーダーたちは、請求可能な稼働時間(工数)ベースの価格設定から脱却し、成果に基づく料金体系を構築することを望むようになっている。タイム&マテリアル(工数実績)型の料金モデルはもはや長続きせず、業界全体で広く議論されているにもかかわらず、代理店はまだ適応できていない。今こそ、その変化の時だ。

価値ベースの価格設定(バリューベース・プライシング)は、クライアントや業務内容によって意味合いが異なるかもしれないが、代理店はこうした新しいモデルを最優先すべきだ。それが固定費プラス業績連動ボーナスであれ、各成果物の価値に基づく価格設定であれ、同様である。成果物ごとに価格を決める場合、それぞれの成果物がもたらすインパクトの大きさが異なることを忘れてはならない。AIによって一部の成果物がコモディティ化しつつある世界においても、人間の創意工夫や複雑な思考を必要とする成果物は依然として数多く存在する。そうしたものは、最終的により大きな価値を生み出すため、より高い価格を設定すべきである。一方で、AIを多用して作成されたアセット(多くの場合、下流の制作プロセスにおける成果物)は、固定料金(フラットフィー)で対応できるだろう。

時間給での請求は時代遅れだ。調達部門は、インパクト、クリエイティビティ、そしてテクノロジーに裏打ちされた価値に見合う次世代の価格モデルを受け入れる準備ができている。そして、価値ベースの価格設定こそが、それを実現する手段なのだ。

詳細についての透明性を確保する

かつて代理店は、自分たちが使用するツールについて多くを語らず、独自のプロセスについて深く説明しないこともあった。クライアントが何よりも重視したのは、最終的に制作された成果物だったからだ。しかし、AIがもたらす次のイノベーションの波と、それを活用したツールの普及に伴い、調達担当役員に対する透明性の確保がより強く求められるようになっている。彼らは、代理店がリスクを管理しつつ、共通の目標を推進するためにどのようにAIを活用する計画なのかを知りたがっている。

これは最終的に、価値ベースの価格戦略に大きく関わってくる。そのため、コンセプト立案であれ、何百何千ものアセットのバリエーション制作であれ、あるいはその他の自動化であれ、AIの使用について協議する際、調達部門はワークフローに何が組み込まれているかを正確に把握できる。プロセスや使用ツールに関する透明性は信頼関係を強化し、価値の低い成果物での収益が減ったとしても、より高価値で戦略的な成果物に対してプレミアム価格を請求することを可能にする。

調達部門とマーケティング部門のパートナーシップ再定義を支援する

多くの調達担当役員は、自社のマーケティング部門や代理店との関係を強化したいと考えている。そうすることで、全員が業務全体を包括的に把握でき、代理店の立ち位置や、業務範囲(スコープ)を超えてより強固に連携できる領域を特定しやすくなるからだ。かつて調達部門が関与するのは、主に契約や予算に関連する下流の実行プロセスに限られていた。しかしこれからは、より上位の年次マーケティング計画やロードマップの策定に深く関与する機会が開かれている。

マーケティングの意思決定においてより戦略的な立場を確保するため、一部の調達担当役員は、すべての予算、業務範囲、代理店、および社内関係者の調整を行う「ステークホルダーマネジメント」の役割を担おうとしている。これにより、彼らはマーケティング部門が主導するより上流の戦略的取り組みに参加できるようになる。

代理店は、彼らのこうした成功を支援することができる。代理店が早い段階から調達部門を巻き込み、調達・マーケティングの両部門と連携してエンゲージメントの観点から成長、指標、価値を定義することで、調達担当役員が社内の同僚との関係を強化する手助けができるのだ。

より実行レベルに近い領域では、代理店は調達部門がレポート作成のニーズを細かく定義するのを手伝ったり、既存のダッシュボードの使い方を説明したり、クライアント側の分析担当者にデータへのアクセス権を提供したりすることができる。また、プロジェクトのマイルストーンについて調達部門に主体的に共有し、事例研究(ケーススタディ)を提供することで、調達部門が自社に対してその投資の価値を証明できるように支援することも可能だ。

突き詰めれば、調達担当役員は信頼すべきパートナーであり、彼らとより強固な関係を築くことこそが、より大きなプロジェクトのための予算を確保する鍵となる。彼らの役割が進化を続けるなか、代理店には彼らが成功するために何を求めているかをより深く理解し、その成功を後押しする絶好の機会がもたらされているのだ。

forbes.com 原文

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