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2026.07.25 14:06

熱波で出力低下、原子力だけでなく全発電方式が直面する課題

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2026年に欧州を襲った猛烈な熱波のさなか、とりわけフランスの原子力発電所が出力抑制を迫られているという話を、私たちはよく耳にする。報道の多くは、この出力抑制の理由を、発電所の原子炉に冷却水を供給する河川などの水温が記録的な高さになっているためだと正しく説明している。一方で、こうした熱波が「原子炉を安全に冷却するには温度を高くしすぎる」と示唆したり、述べたりする傾向もあるが、これは誤りである。

これは単に間違っているだけではない。この脱炭素技術の普及を何十年にもわたり阻んできた不安の領域に、また一つ誤情報を加えてしまうという点で残念である。現実の世界で言えば、失われた電力量は年間発電量のごく一部(1.5%未満)を超えたことはない。

実際、出力を下げる理由は人間の安全とは無関係である。その正当性は、むしろ商業上および環境上の考慮に由来する。もう一つの事実として、出力を下げたり停止したりする必要があるのは原子力発電所だけではない。

なぜ猛暑は発電出力を低下させるのか

原子力発電は、核分裂の過程を用いて高い熱を発生させ、蒸気をつくる。その蒸気が発電機に接続されたタービンの羽根を回す。この仕事を終えた蒸気は復水器へ送られ、外部の水源から取った水によって液体に戻され、再び原子炉の炉心へ循環される。

そのため、ほとんどの原子力発電所は河川、湖、沿岸部の近くに立地している。これらの水源の水温が通常の範囲を上回ると、蒸気を冷却して凝縮する能力が低下する。その結果、タービンの効率が下がり、発電量も減少する。

その規模は軽微ではない。経験則として、冷却水温が設計条件を上回って10F上昇するごとに、発電所は通常、サイクル効率をおおむね0.3〜0.5%失う(0C当たりではその約2倍)。正確な感度はタービンや復水器の設計、また発電所がすでに定格容量にどれほど近い状態で運転しているかによって異なるが、規模感はおおむね一貫している。

しかし、影響を受けるのは原子力だけではない。熱を利用して蒸気を発生させ、水冷式の冷却システムを備えたタービン発電機を動かすあらゆる「火力」発電所(技術者にはランキンサイクルとして知られる)でも、まったく同じことが起こる。石炭、天然ガス、バイオマス、蒸気サイクル式の集光型太陽熱発電は、いずれも効率低下の影響を受ける。

実際のところ、熱波はさまざまな形で電力網に負荷をかけ、小規模から大規模まで多様な障害や停電を引き起こす。送電線や配電線が膨張してたるむ、変圧器が故障する、パイプライン内の石油やガスが膨張して圧力が高まる、といった影響も生じ得る。

では、なぜ原子力ばかりが注目されるのか。主な理由は、原子力が何十年にもわたり、リスクという文化的なイメージを背負ってきたからである。政治的にも象徴的にも重みを帯びた技術なのだ。「熱波で原発が出力削減を余儀なくされた」という話は、いわば既存の認知の型に合致し、注目を集めやすい。フランスはこの典型例になっている。同国は電力の最大部分を原子力に依存しており、新たな熱波が来るたびに、またしても「原子炉の停止」を迫られると報じられるからである。

反論として、こうした発電所は目立ちやすく、特に大規模な電力を生み出すため、出力が抑制されると影響がより明白になる、という見方もあるだろう。近年の欧州全域における熱波により、冷却水の利用可能量や温排水に関する規制上の制約から、ライン川、ローヌ川、ドナウ川などの沿岸にある原子炉で出力削減命令が出されたことは確かである。しかし、欧州各地のGW(ギガワット)級の大型石炭火力発電所でも同じことが起きている。原子力は脚光を浴びているが、この劇に登場する役者の一つにすぎない。

関係する科学に目を向けるなら、そこにはより大きな物語がある。熱波は、水冷式の熱発電設備全体、さらには電力網全体に対するストレステストであり、原子力固有の問題ではない。

火力発電所にも共通する課題:環境規制

熱発電所の全体的なサイクルの一部として、河川や湖から取水された水は、取水時より温かい状態で環境へ戻される。地域の水生生態系に対する熱汚染(およびミネラル汚染)を避けるため、この温度差は一定の範囲内に収まるよう規制されている

通常の条件下では、発電所の排水は取水温度より2o〜9oF(1.6o〜5oC)高い範囲まで認められることがある。しかし極端な高温時には、発電所が追加の熱を加える前から、河川や湖がすでに生態学的な限界値に達している場合がある。その結果、発電所は水の使用量と排水を減らすため、出力を抑制する必要が生じる。

別の言い方をすれば、水域の周囲温度が定められた上限に近づくにつれ、発電所の廃熱を安全に受け入れるだけの熱的余力が河川に残っていないため、運転事業者は単に出力を下げざるを得なくなることがある。

皮肉なのは、原子力発電所自体は完全に発電可能な状態であるにもかかわらず、その周辺の生態系を守るために出力削減を求められ得るという点である。

熱波は再生可能エネルギーにも影響する

しかし、影響を受けるのが熱発電所だけだと考えるべきではない。熱波は水力、風力、太陽光にも異なる形で影響を与え、全体としては同じ結果をもたらす。すなわち、発電量の減少、信頼性の低下、そして風力と太陽光においては機器の劣化の加速である。

熱波は通常、干ばつを伴ってやってくる。降雨や融雪が少なければ、河川を流れ、貯水池に入る水も少なくなり、発電に使える水も減る。出力は低下し、ときには急激に落ち込む。2022年に中国の四川省で水力発電量が半減したのがその例である。わずか3カ月の間に3回の大規模な熱波が発生した2026年には、欧州の一部の河川でも同じことが起きている。

太陽光パネルは高温下で効率が低下する。熱が、半導体材料が太陽光を電気に変換する仕組みを妨げるためで、標準試験温度(通常25oC、または77oF)を1oC上回るごとに、一般に0.3〜0.5%低下する。大したことではないように聞こえるかもしれないが、太陽光はもともとの変換効率が比較的低い(約15〜23%)ため、わずか数パーセントの低下でも重大な影響を及ぼす。

風力タービンは三重の不利益に直面し得る。多くの場合、熱波の間は風が弱まるか、止まることさえある。さらに、高温の空気は密度が低いため、同じ風速でも含むエネルギーが少なく、タービンは単純に発電量が減る。その上、タービン内部の発電機、ギアボックス、電子機器は、外気との温度差を利用して冷却されるため、外気がすでに高温であれば冷却は難しくなる。損傷を避けるため、タービンはしばしば自動的に出力を下げる、あるいは完全に停止するよう設定されている。

こうした短期的な損失に加え、両技術は熱によって劣化が早まる。特に高温に繰り返しさらされると、太陽光パネル材料の自然な化学的劣化が加速し、電気接続部にも負荷がかかる。風力タービンでは、油、ベアリング、絶縁材が劣化し、有効寿命が短くなり得る。

繰り返すが、原子力が注目を独占している一方で、物理科学は、熱波が本質的にあらゆる発電形態において出力を低下させ、摩耗を加速させることを示している。

気候変動と発電の未来

歴史的に、発電所は技術者が遭遇すると見込んだ気候条件を前提に設計されてきた。河川、湖、その他の水域は、既知でなじみのある温度範囲内にとどまると考えられていた。異例の深刻さを持つ夏季の干ばつは、極めて稀なものと見なされていた。

こうした前提はいまや信頼できない。気候変動は高温事象の頻度と強度を高め、欧州や米国を含む多くの地域で、水温上昇、河川水位の低下、そして干ばつ期間の長期化を引き起こしている。

電力システムにとって、これは拡大する課題となっている。最も暑い日は、人々が空調により多く頼るため、電力消費が最も高くなる時期でもある。にもかかわらず、まさにその同じ時期に、一部の発電所が最大容量で運転する能力が低下し得る。しかも、これは電力需要全体が増加するという背景のもとで起きている。

2025年、空調の世界市場は約1370億ドル(約22兆4000億円)で、2030年代初頭までに2450億ドル(約40兆1000億円)超へ成長すると予測されていた(ヒートポンプは冷房時にはエアコンとほぼ同量の電力を使うが、暖房時には数倍効率が高い)。

したがって、人、発電所、データセンターなどを冷却する必要性の増大は、電力需要全体を押し上げ、今後数十年にわたりその傾向は続くことになる。

問題への対処——漸進的な変化

熱波の影響を減らすため、代替的な冷却システム、新しい発電所設計、規制の柔軟性がいずれも活用されてきた。太陽電池向けの新材料や、風力タービン発電機向けの内部冷却・潤滑の構造も開発中である。

原子力施設や大型の石炭火力・天然ガス火力施設に冷却塔を追加することは、後付け改修の一種である。蒸気を液体に戻すための閉ループシステムをつくることで、河川から取水し、河川へ戻す水量を大幅に減らせる。

大型ファンを使う空冷も、熱発電所にとって別の選択肢である。実証済みの技術ではあるが、水冷より効率が低く、資本コストが高く、消費電力も大きいため、主に水不足の地域に限られる例外的な存在に近い。一部のケースでは、空冷と水冷の技術を組み合わせたハイブリッドシステムのほうが実用的である。

原子力には、ほかにも固有の選択肢がある。新世代の小型モジュール炉(SMR)は、大型発電所に比べて1基当たりの使用水量がはるかに少ないため、環境リスクも小さくなる。さらに、こうした小型炉では、空冷やハイブリッド冷却のコスト面での不利が大幅に縮小する。加えて、すでに複数が導入されつつある次世代原子炉技術では、水の代わりにヘリウム、溶融塩、液体金属などの冷却材を用いる。

規制の柔軟性については、多くの国に、熱波発生時に環境上の根拠に基づく発電制限を一時的に緩和する政策が存在する。こうした環境上の免除は恣意的な判断ではなく、地域当局が命じる法的メカニズムであり、例えば風力発電の喪失が熱発電所の出力抑制によってさらに悪化するような場合に、電力網の不安定化を防ぐためのものである。

完璧な電力システムは存在しないが、多様性は助けになる

結局のところ、メディアが原子力発電所に焦点を当てることは、熱波があらゆる種類の電力システムにもたらすより大きな問題から目をそらすものになっている。これは重要である。世論の認識をゆがめ、誤った政策判断を後押ししかねないからだ。

今後数十年で、熱波がより暑く、より頻繁に、そしてより長くなることにほとんど疑いはない。この現実が照りつけるなか、信頼性の必要性が急上昇する一方で電力需要は増加しており、電力網には予測しにくく天候に左右される発電がより多く加わってきた。

これらすべては、個々の技術の限界を補い合える多様な電源ポートフォリオの必要性を示している。いまでは広く認識されているように、さまざまな形の原子力発電は、その必要な一部となるだろう。

forbes.com 原文

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