「まずいぞ」と人々は言う。「中国がOpenAIとAnthropicに追いつきつつあり、LLM(大規模言語モデル)の性能でまもなく追い越すかもしれない。これでAIブームは終わりだ」。
端的に答えよう。「いや、終わらない」。
AIモデルは、AIブームという絵柄のごく一部にすぎない。OpenAIとAnthropicの価値は1兆ドルや2兆ドル(約164兆〜328兆円)、ひょっとするとマイクロソフトに匹敵するほどになるかもしれない。それでも、氷山の一角でしかない。
最高のコンピューターOSであるLinuxは無料だ。それでマイクロソフトは死んだか。死んでいない。素晴らしいデータベースがいくつも無料で手に入る。それでオラクルは死んだか。(挑んだ者はいた。だが、死ななかった)。私自身、オラクルにソフトウェア代として数百万ドル(数億円)を払っている企業と競合し、無料の同等品を使って勝ったことがある。では、その企業にも同じ選択肢があったのか。なかった。「なぜなかったのか」を語り出すと長くなるが、要点はこうだ。中国発の無料のLLMがOpenAIやAnthropicを殺すことはない。Linuxがマイクロソフトを殺さず、むしろレッドハットを食わせてきたのと同じだ。
仮に中国のLLMがOpenAIとAnthropicを殺したとしても、私は気にしない。それでAIブームが揺らぐことはないからだ。かすり傷にすらならない。AIの人々が集まる場であり、AI技術の保管庫でもあるHugging Face(ハギング・フェイス)が証明しているとおり、無料のAIモデルがAIの未来を損なうことはない。それどころか、計り知れないほど有益なのだ。
いくつか前提を置いて、話を進めよう。
すべての企業と政府は、AIを最大限に使わなければならない。それは個人にも当てはまるが、ここではB2B(企業向け)とB2G(政府向け)に話を絞る。Qwenでも DeepSeekでも Kimiでも、好きに使えばいい。



