ここまで来れば、ビットコインのマイナー(採掘業者)には私の言いたいことが正確にわかるはずだ。2年ごとに機材は陳腐化し、入れ替えを迫られる。暗号資産のマイニングも、AIと同じく、1キロワットあたりどれだけ計算できるかがすべてなのだ。AIとはすなわちエネルギーである。勝負を決めるのは、1キロワット時あたりのコストと、1キロワットあたりの計算量である。
つまり、トークンをいかに多く生み出すかではなく、エネルギーをいかに減らすかの勝負なのだ。
これは効率をめぐる軍拡競争であり、暗号資産のマイナーなら誰でも言うように、機材とインフラを供給する側に急所を握られている。
おかえりなさい、ムーアの法則。
さて。
需要に天井はない。
この競争に2位はない。
価値連鎖(バリューチェーン)は長い。その頂点にモデルがあるのは確かだが、鎖をたどればすぐに、基礎的な経済原理と実体的な経済活動の層へと降りていく。どの環も、それぞれに強い立場を握っている。
LLMをタダで配りながら、最高のLLMを莫大な金額で売ることはできる。位置づけと売り方さえ間違えなければ、性能の劣るものを莫大な金額で売ることさえできる(マイクロソフトとオラクルを見ればいい)。だから、今誰もが慌てふためいているとはいえ、OpenAIやAnthropic、その他の各社を心配する必要はない。さらに言えば、仮に彼らが破滅する運命にあったとしても、影響はほとんどない。というのも、LLMには目に見える堀(参入障壁)がないかもしれないが、その下にあるものにはすべて堀があるからだ。
ハードウェアも、電力も、冷却も、タービンも、タダで配ることはできない。この長い価値連鎖は硬く、制約が多く、簡単には動かない。そしてその状態は、これから非常に長く続く。
さらに、ビットコインのマイナーなら誰でも言うように、終わりのない設備更新の輪から抜け出すことはできない。計算力への需要が増え続け、それを支えるハードウェアとソフトウェアが進歩し続けることが、その輪を回している。しかも、その循環はAI自身によって加速されるのだ。


