働き方

2026.07.25 09:53

「サマータイム」議論が示す、科学リテラシーの盲点

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米下院は先頃、夏時間(デイライト・セービング・タイム)を恒久化する法案を可決した。「サンシャイン保護法」と呼ばれるこの法案が成立すれば、国内の大半の地域で年に2回時計の針を調整する必要がなくなる。この問題は議論を巻き起こしており、上院での審議で日の目を見るかどうかは不透明だ。しかし、筆者はここでその「賛否」を議論するつもりはない。それよりも、この問題をめぐる議論の中で露呈した、科学リテラシーの大きな格差について懸念を抱いている。

人々は何を誤解しているのか?

人々がまず間違えているのは、その名称そのものだ。それは「saving」である。この特定の使われ方において、末尾に「s」はつかない。しかし、それは筆者にとって最も些細な問題だ。筆者は文字通り、時計の針を調整することが、太陽から地球に届く実際の光の量に影響を与えるかのような議論や主張を目にしたり耳にしたりしてきた。まるで、時計を1時間「戻す」あるいは「進める」ことが、太陽に連動した巨大なタイマーと結びついているかのようだ。

夏時間やタイムゾーン(標準時帯)は、人間が作った仕組みである。時計が指す時刻そのものが人工物なのだ。「時間はおそらく、地球上で最も多く測定されている量だろう。それは、いつ起きていつ寝るべきか、いつ食べ、働き、遊ぶべきか、バスや電車、飛行機がいつ出発し到着するのかを教えてくれる」と、米国立標準技術研究所(NIST)のウェブサイトには書かれている。「しかし、私たちは時間を直接測定することはできない。見ることも、聞くことも、味わうことも、触ることも、嗅ぐこともできない。その代わりに、私たちは時間の間隔、つまり2つの出来事を隔てる期間を測定している。『時間』とは、これらの間隔の積み重ねなのだ」とNISTは続ける。人類は、日時計、生体検知、原始的な時計、そして原子時計のネットワークを利用して時間を計測してきた。「この時間の交響曲は、人類にとって最も複雑で重要であり、そしておそらく、最も美しい成果の1つかもしれない」とNISTの専門家は宣言している。

それぞれの場所で得られる日照量は、本質的に以下の要素によって決まる。

  • 緯度
  • 地軸の傾き
  • 季節

地球は公転する際、約23.5度傾いている。1年のうち異なる時期に、地球の異なる地域が、さまざまな量と時間の間接光または直射日光を受ける。現在、北半球は太陽に向かって傾いている。夏だ。地球は自転もしており、それが私たちの1日のサイクル(日周サイクル)を支配している。時計の針を1時間調整したところで、こうした自然のプロセスは何一つ変わらない。それは単に、日々のスケジュールに合わせて日の光を調整しているにすぎない。議論の本質はそこにあるが、その是非については他者に譲る。もっとも、私たちは以前にも同じような光景を目にしているが。

インディアナ州は年間を通じて夏時間を維持している。一方、アリゾナ州は夏時間をまったく採用していない。「1970年代初頭、米国はエネルギー危機に直面していたため、政府はある実験を試みた。議会は夏時間を年間を通じて恒久化する法律を可決したが、それはわずか2年間限定のものだった」と、米公共ラジオ放送NPRのスーザン・デイビス氏は語る。「その狙いは、夕方の日照時間を増やすことで、国のエネルギー消費を削減することだった」と彼女は続ける。しかし、結果は芳しくなかった。

これが2026年にどう展開するか、見守ることにしよう。

forbes.com 原文

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