経営・戦略

2026.07.25 09:16

「ただのアシスタント」はいない。すべての役割が組織を支えている

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何年も前、ある人が私に自己紹介をしながら「私はただのコーダーです」と言った。私はその言葉を遮ったことを覚えている。「違います」と私は言った。「あなたは、ただのコーダーではありません」

その会話がずっと私の中に残っているのは、同じような言い方をいつも耳にするからだ。人々は「ただ」オペレーション担当だと言う。「ただの」アシスタントだと。「ただ」財務にいるだけだと。「ただの」プロジェクトマネジャーだと。いつの間にか私たちは、ある仕事は他の仕事より重要で、肩書きが重要性を決め、目立つことが価値に等しいと思い込んできた。私はそんなことを少しも信じていない。

マーケットリサーチの世界でキャリアを積み始めた頃、私たちの成功はまったく異なるスキルを持つ人々に支えられていた。コーダー、アナリスト、統計家、リサーチャー、データサイエンティスト、アカウントチーム、営業担当、そしてオペレーションのプロフェッショナルたち。誰もが他のメンバーの仕事を代わりにはできず、また互いなしには誰も成功できなかった。それぞれがパズルの異なるピースを解いていたのだ。これはあらゆる優れた組織に共通する真実である。

リーダーシップとは、ステージに立つ人や役員室に座る人のことだと考えられがちだ。しかし現実には、誰かが賞を受け取ったり、節目を祝ったりするずっと前に、成功は築かれている。それは、クライアントに届く前にミスに気づく人によって築かれる。複雑なイベントを何事もなかったかのようにスムーズに進行させるオペレーションチームによって築かれる。全員の仕事を円滑に進めるアシスタント、ビジネスを健全に保つ財務チーム、アイデアを形にするデザイナー、コードを書くエンジニア、そして見出しに名前が載ることなど決してない無数の人々によって築かれている。彼らはミッションを支えているのではない。彼らこそがミッションなのだ。

私はよくオーケストラのことを考える。ベートーヴェンの交響曲第5番を聴くとき、聞こえてくるのは1つの楽器ではなく、何十もの楽器の音だ。バイオリンが打楽器より重要なわけではない。金管楽器が木管楽器より重要なわけでもない。すべてのパートが正確に適切なタイミングで加わることで、単独では決して生み出せないものが創造される。指揮者でさえ、音楽をつくっているわけではない。指揮者は、目の前に並ぶ卓越した才能をまとめ上げているにすぎない。

組織も同じように機能する。私たちは皆、異なる強みを持っている。可能性を思い描く人がいる。そのアイデアを現実に変える人がいる。関係を築く人がいる。問題を解決する人がいる。人前に立つことで力を発揮する人がいる。その一方で、舞台裏のすべてがあるべき通りに動くよう、静かに支える人がいる。すべての役割は異なり、どれかが他より重要ということはない。

だからこそ私は、マネジャー、ディレクター、バイスプレジデント、シニアバイスプレジデントといった従来型の企業肩書きに、あまりこだわってこなかった。それらは、その人が組織図のどこに位置するかは教えてくれるが、その人が会社をどう良くしているかまでは教えてくれない。

何年も前、私は自分をCEOと紹介するのをやめ、チーフ・トラブルメーカーと名乗るようになった。耳に残るからではない。私自身を含め、全員に私の本当の仕事が何かを思い出させるためだ。私の役割は現状を守ることではない。思い込みに挑み、時代遅れのルールに疑問を投げかけ、機会を生み出し、他の人が最高の仕事をしやすくすることだ。それが、オーケストラに対する私の貢献である。別の人の貢献はまったく違うものだが、同じように重要だ。

肩書きは指揮命令系統を示すが、影響力を示すものではない。最も強い組織はこのことを理解しており、最も声の大きい人や、最も目に見える成果だけを称賛することはない。彼らは、人々が互いを信頼し、互いの専門性を尊重し、自分個人の仕事が自分自身よりもはるかに大きなものにどのように貢献しているかを理解しているからこそ、非凡なことが成し遂げられるのだと分かっている。

人々が「自分はどの順位にいるのか」と問うのをやめ、「自分はどう貢献しているのか」と問い始めた瞬間に、カルチャーは変わる。なぜなら、「ただの◯◯」など存在しないからだ。私たちは皆、自分一人では決して築けないものを、ともに築き上げている一員なのだ。だから「私はただの……」と言いそうになったら、立ち止まって自分が何者であるかを思い出してほしい。あなたは「ただの」存在ではない、あなたという存在なのだ。私は「ただの」存在ではない、私という存在なのだ。

そして私は、誰に見られているかにかかわらず、違いを生み出す貢献をしているすべての人に、心から感謝している。その存在を、私は見ている。

forbes.com 原文

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