米国時間7月24日、ドナルド・トランプ大統領は、欧州連合(EU)が過去5年間に米国のIT企業に科した制裁金を調査し、これを撤回させると述べた。その対抗措置として、EUに対する追加関税の導入を警告した。
EUによる制裁金を「違法かつ極めて差別的」と主張
トランプはトゥルース・ソーシャルへの投稿で、EUが独占禁止法(反トラスト法)違反を理由に今週グーグルに対して科した10億ドル(約1630億円。1ドル=163円換算)の制裁金に言及した。
また、グーグル、アップル、メタ、アマゾンに対する一連の制裁金を、ジョー・バイデン前大統領が就任した2021年に始まった「違法かつ非常に差別的な慣行」と位置付けている。
トランプは「米国企業、ひいては米国の納税者から『強奪』する慣行」に対して調査を行うと表明した。企業に対する制裁金は「完全に撤回させる」と主張し、「可能な限り早期に、相当規模の追加関税を(EU諸国に)課す」とも述べている。
フォーブス現在、本件について欧州委員会にコメントを求めている。
グーグルへの制裁金額は約1630億円、理由は自社サービスの優遇
EUは23日、グーグルがアプリのマーケットプレイスや検索エンジンを自社のサービスやアプリに有利な構造にし、公正な競争を阻害したとして10億ドル(約1630億円)の制裁金を科すと発表した。EUによると、グーグルは2022年に制定された「デジタル市場法(DMA)」に違反したという。同法は、EUがメタやアップルなどの他社に厳しい処置をとった際にもその法的根拠とされていた。
2021年以降にEUがアマゾン、アップル、グーグル、メタに対して課した制裁金の総額は少なくとも80億ドル(約1.3兆円)にのぼる。
関税で対抗する米国、DMAで取り締まりを続けるEU
トランプは今年2月、EUによる米国企業への制裁に関税で対抗することを目指す覚書に署名した。
欧州は米国のIT企業に大きく依存しており、域内のデジタル製品、サービス、インフラ、知的財産の80%以上を米国企業が提供している。しかし、それが理由でDMAなどを通じた米巨大IT企業に対する取締りが衰えることはなかった。
直近のグーグルに対する制裁金に加え、2025年にはDMAに基づきアップルに対し5億7000万ドル(約929億円)、メタに対し2億2700万ドル(約370億円)の制裁金が科された。メタへの制裁は、個人データの収集量を抑える一方で有料版と同等の機能を持つ無料版プラットフォームをユーザーに提供しなかったことが理由とされた。



