北米

2026.07.25 12:00

ホルムズ海峡の攻防が「米国の未来」を決める、著名投資家レイ・ダリオが警告

Taylor Hill/Getty Images

Taylor Hill/Getty Images

米国時間7月24日、著名なヘッジファンド投資家のレイ・ダリオは、米国とイランの紛争が決定的な局面に入ったと警告した。ダリオによれば、この紛争によって両国間の争いの勝敗が決するだけでなく、米国の世界的覇権が将来も継続するかどうかが決定づけられるという。

ダリオは数カ月前に自身が執筆し、300万回以上の閲覧数を記録した記事に言及した。その記事の中で彼は、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の制海権をイランが少しでも保持(交渉継続能力を含む)し続けた場合、米国はこの紛争に敗北したと見なされ、ペルシャ湾岸の同盟国、世界的な原油流通、そして基軸通貨としての米ドルの地位に重大な影響が及ぶと主張していた。

最新の投稿においてダリオは、「事態が現実のものになりつつあることはすでに明白であり、我々はまもなく最終的な決戦とその結末を目にすることになる」と述べた。

この投稿の直前には、イラン政府がイラクの指導者を通じて提示された米国の停戦案を拒否したと報じられたほか、米中央軍(CENTCOM)が現地時間24日午前2時15分から約2時間にわたりイランのドローン保管施設などを攻撃したと発表していた。

イラン軍司令部は「米国が一部所有している、あるいは米国に協力している同地域の石油会社のすべての石油、経済、エネルギー施設」を破壊すると脅迫した。ダリオは自身の投稿の中でもこの声明を引用している。

ダリオはまた、英国の世界的覇権の終焉を決定づけた1956年のスエズ危機(第二次中東戦争)との歴史的な類似点を挙げ、米国がホルムズ海峡の確保に失敗すれば、かつて覇権を握った英国、オランダ、スペインがそうであったように、戦争での敗北によって米国の覇権衰退が始まる可能性があると論じた。

イランとオマーンの間に位置するホルムズ海峡は、世界でも最も重要な原油輸送の要衝の1つだ。今年2月の米国とイスラエルによる攻撃を受けてイランがこの海峡の「閉鎖」を宣言するまで、世界で取引される原油の約5分の1と大量の液化天然ガス(LNG)が毎日ここを通過していた。

それ以降、イラン政府は米国とイスラエルの軍事作戦への対抗措置として、この海峡を通過する商船への威嚇や妨害を繰り返している。米国は、ホルムズ海峡における航行の自由が世界貿易とエネルギー安全保障にとって不可欠であると主張し、この海峡の再開を試みてきた。戦闘によってタンカーの交通量は急減し、海上保険料は高騰している。また、市場が原油の供給途絶を警戒する中、世界的な原油価格の急騰が何度も引き起こされた。

開戦以来、3隻の船舶がホルムズ海峡を通過しようとしてイラン側に拿捕された。今年4月には海運大手MSCが運航するコンテナ船2隻が拿捕され(船体と乗組員は現在も拘束されたままとされる)、今週にはギリシャの海運王であるジョージ・プロコピウが所有するタンカー1隻がイラン領海へ曳航された模様だ。

今後、米国がホルムズ海峡を通過する商船を護衛するための多国籍有志連合を結成できるかどうかに注目が集まる。ダリオはこれが実現すればトランプ政権にとっては「大きな勝利」だと主張した。

ダリオは世界最大のヘッジファンド運用会社、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者だ。推定資産額は約154億ドル(約2兆5100億円)に上り、世界長者番付のトップ200に名を連ねている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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