ドナルド・トランプ大統領が導入した「強制労働」に関連する新たな追加関税に対し、欧州連合(EU)、オーストラリア、ブラジルなどの主要貿易相手国から反発が相次いだ。各国・地域は関税導入の根拠が説明不足であると批判している。
EU、ブラジル、オーストラリア、日本が関税の根拠を批判
東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議で発言した欧州委員会のカヤ・カッラス副委員長は、米国が展開した強制労働という主張はEUに対しては適用できないと述べた。
カッラスはEU域内の労働法を米国のものと比較し、「我々には有給休暇があり、非常に優れた労働条件が整っている」と指摘した。その上で、EUにこの関税を課す根拠としては「まったく不十分だ」と付け加えている。
これまでもトランプ政権と対立してきたブラジル政府は、、「保護主義的な通商政策」を支える米国内法上の根拠が米通商代表部(USTR)にはないと指摘した。その上で、根拠を欠いたUSTRは人権と世界の労働者の闘いにとって重要な問題を操作し、59カ国とEUを不公正な慣行だと非難したのだと反発した。ブラジルは、自国の「相互主義法」を用いて今回の関税に直ちに報復すると表明した。
オーストラリアのドン・ファレル貿易相は、今回の関税は不当であり、米国が目指す将来像は「自由で公正な貿易」ではなく、自国の収入を増やすための関税引き上げであることが明白になったと述べた。
日本政府は慎重な姿勢を保ちつつも、今回の関税を「遺憾」とし、日本の産業および貿易慣行は「国際ルールに合致している」と主張した。
シンガポール、ニュージーランド、ノルウェーも根拠を否定
シンガポールのビビアン・バラクリシュナン外相は、ASEAN外相会議の合間にマルコ・ルビオ米国務長官と会談し、関税問題を提起したと述べた。バラクリシュナンは「米国は我が国に対して貿易黒字を計上しており、我々に関税を課す厳密な経済的根拠は存在しないと明確に指摘した」と語った。
ニュージーランドのクリストファー・ラクソン首相はXへの投稿で、トランプによる新関税は「きわめて失望的だ」とし、「米国の調査は強制労働に関する主張を裏付ける意味のある証拠を示していない。関税は解決策にならず、企業にコスト増と不確実性をもたらすだけだ」と付け加えた。
ノルウェー政府は「一方的な」関税とその「根拠」に強く同意しないとの声明を出した。「我が国には強制労働によって生産された物品の取引を防ぐ明確なルールがすでに存在するため、ノルウェーに対するこの関税には何ら根拠がないと信じている」と付け加えた。



