米ニューヨーク大学(NYU)は東京にキャンパスを設ける可能性を探っている。日本が過去最多の留学生を誘致するなか、その首都にNYUの新たな海外拠点ができるかもしれない。
NYUと東京都は7月14日、東京での学術的な取り組みの可能性について検討する覚書を結んだ。短期留学プログラムに参加する学生向けの拠点整備や将来的なキャンパス開設について、協議を進めることなどで合意した。
「より長期的には、NYUは、より総合的なキャンパスを東京に設立することも検討する可能性があります」と大学側は発表文で述べている。
留学生が増えている日本
NYUによる今回の動きについては、そのタイミングも注目される。日本は2025年6月時点で外国人留学生を43万5200人受け入れており、政府が掲げる年40万人という目標を予定より8年早く達成した。日本では少子高齢化により大学進学年齢の人口が減るなか、大学側は英語で授業を行う学位プログラムの提供や海外からの留学生募集を着実に拡大してきた。
もしNYUが東京にキャンパスを開設することになれば、こうした流れに乗り、それをさらに加速させることになるだろう。学生は、アジアで最も魅力的な都市のひとつである東京で学べるうえ、米国の大学の学位も取得できるのだ。報道によると、候補地のひとつには東京西部の武蔵村山市が挙がっている。
NYUは本拠地のニューヨーク市に加え、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビと中国・上海で学位を授与するキャンパスを運営しており、学生が複数の国で学べるグローバルなネットワークを軸に大学のアイデンティティーを築いてきた。東京都にとっては、米国の著名な大学を誘致できれば、教育・研究の国際的な拠点としての地位の強化する取り組みに寄与する。
海外キャンパスの新たな位置づけ
こうした協議が行われる背景には、米国の移民政策によって留学生を取り巻く状況が不透明さを増している現状もある。留学生の滞在期間を当初、最長4年に制限する新たなビザ(査証)制度や、ビザ申請の審査厳格化などにより、米国への留学は以前よりも見通しが立ちにくいものになっている。



