経営・戦略

2026.07.27 16:00

企業は採用でAIを活用するが、志願者の「AI履歴書を拒絶」という矛盾

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多くの大企業において、AIはすでに採用プロセスに組み込まれている。求人票の作成、履歴書のスクリーニング、候補者と募集ポジションのマッチング、面接の日程調整などにAIが利用されており、さらには面接プロセスの一部をAIに担当させるケースもある。雇用する側はAIの利便性を理解しており、採用プロセスの多くをAIに委ねることに意欲的だ。

しかし一方で、求職活動にAIを利用する候補者に対しては、不信の目を向けている。

AIの導入で「理想の候補者」の特定が困難に

履歴書(職務経歴書を含む)のオンライン作成サービス「Resume Genius」が公表した調査は、この広がりつつあるダブルスタンダードを浮き彫りにしている。採用担当者1500人を対象としたこの調査によると、87%が「自社で採用プロセスにAIを導入している」と回答した。その一方で、ほぼ同率の82%が「候補者が求職活動でAIを使用することに懸念を抱いている」と答えた。また、採用担当者の10人中6人近くの担当者が、AI作成の履歴書やカバーレターを目にしたことがあり、半数近くがオンライン面接での回答作成に候補者がAIを使用しているのを確認している。

これは驚くべきことではない。AIのおかげで、洗練された履歴書や、企業に合わせてカスタマイズされたカバーレター、最適化された「LinkedIn」のプロフィールなど、あらゆるコンテンツを簡単に作成できるようになったからだ。面接での説得力のある回答さえも生成できる。雇用主側は、候補者の応募書類が本人の能力を本当に反映しているのか判断できなくなることを懸念している。皮肉なことに、多くの企業が、自ら懸念しているまさにその環境を作り出しているのだ。

採用の「数式」を双方から変えたAI

履歴書という仕組みが生まれて以来、求職者は「履歴書やカバーレターは応募先ごとにカスタマイズすべきだ」と言われ続けてきた。そして、採用管理システム(ATS)が登場してからは、「システムを通過するために、提出書類を最適化せよ」とアドバイスされてきた。今日では、それらすべてがAIによって数秒で完了する。雇い手側もすでに、採用活動全体の効率化を目指してAIを導入している。Resume Geniusの調査によると、以下の通りだ。

・58%が履歴書のスクリーニングにAIを使用
・46%が求人票の作成に使用
・44%が候補者とポジションのマッチングに使用
・41%が面接の日程調整に使用
・35%がバックグラウンド調査に使用
・33%がスキル評価にAIを使用

雇用主と候補者の双方が、同じ技術を使って結果を向上させようとしている。どちらもAIの利用を効率化の手段と捉えているが、雇用主は候補者がAIを使うことを「システムを悪用した不正行為」と見なしている。

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