5. もはや会社への忠誠心だけでは、身分の保障は得られない
会社への忠誠心(ロイヤルティ)があれば、価値ある従業員にはなれる。しかし、受け入れがたいが厳然と存在する企業内ルールの一つが、忠誠心だけでは、上層部の交代や事業の優先事項の変更といった不測の事態から我が身を守るには十分ではない、ということだ。
長期にわたって雇用されていたがレイオフされた従業員のうち、レイオフされる前に自分の仕事は安泰だと思っていた者は、実に4分の3以上に上るという。この数字は、2026年4月に発表されたCareerminds(キャリアマインズ)の調査で明らかになったもので、5年以上働いていた仕事を失った働き手を対象としている。多くのプロフェッショナルのあいだで、職場への忠誠心と長期にわたる在職期間が、社内での身分の保障につながると考える人がいまだに多いことを浮き彫りにする調査結果だ。しかし、現在の労働市場では、勤続年数の長さは、合併やリストラ、突然のレイオフから働き手を守ってくれる盾になるとは限らない。
以下に挙げるような手段を通じて、安定性の確保に努めよう:
・今の世の中の状況に適した、需要の高いスキル
・強力な社内人脈
・活発な社外ネットワーク
・金銭的な余裕
・認知してもらいやすい「実績の記録」
・単一の雇用主に限らず、自分の価値を説明できる能力
これは何も、会社に忠誠を誓うのをやめろ、ということでない。忠誠心が「唯一のキャリア戦略」になってしまうことを避けるべき、ということだ。
企業の暗黙のルールは「オプション」ではない
以上述べてきたアドバイスは、冷笑的になるように勧めるものではない。明示されているかどうかを問わず、キャリアアップにつながる企業内ルールを理解しておけば、今後不測の事態があっても、揺るがないキャリアの構築に役立つ。
「いい仕事をすること」は、今でも意味を持つ。信頼性も意味を持つ。忠誠心が意味を持つこともあるだろう。しかし、社内という限定的な環境では、影響力や認知度、スポンサーの存在、機動性、タイミングなども、キャリアの形成に関わっている。
こうした企業内ルールを従業員の側が理解すればするほど、自身のキャリアを守り、前進させていく上で有利になる知識が身につく。これは、企業のシステムが自分たちに寄り添ってくれるのを待つよりも、有効な戦略なのだ。


