4. 「職場に不可欠な存在」になることが、キャリアの足かせになるケースも
誰もが頼りにする人物であっても、「今あるシステムを継続的に回すことができる」という点だけが評価されている場合には、これが罠にもなりかねない。ある職場に不可欠な従業員は、業務量は増えるが、チャンスは回ってこない、ということになりがちなのだ。
現在のポストであまりに「便利な存在」になってしまったハイ・パフォーマーは、信頼され、称賛され、過剰に仕事を引き受けることになるが、リーダーはこうした人を昇格させるのをためらう可能性がある。こうした人を異動させると、職場に不都合が発生するかもしれない、と感じるからだ。
エグゼクティブ・コーチのケリー・トンプソンは、こうした状況を「専門知識のボトルネック」と呼んでいる。つまり、業務上不可欠なノウハウが、一人ないし二人の人に集中すると、それ以外の人は、自ら能力を身につける代わりに、すでに知識を持っている人に頼ってしまう、ということだ。
「他の人にあまりに必要とされてしまうと、成長できなくなる」と、トンプソンは指摘する。さらに、このボトルネックがもたらす影響が及ぶのは、組織だけではない。こうした役割から抜け出せない従業員は、「火消し役」としての仕事に追われ、真の意味での注目が得られる戦略的な業務へのシフトを阻害されるため、燃え尽きに陥るおそれがある。
役に立つ人物でいれば、信頼を築くことはできる。だが、昇進を目指すなら、戦略的な貢献や、昇進を決定する立場にある上層部からの認知を得るなど、また異なる強みが必要になる。
まずは、自分の仕事が持つ、より高いレベルの価値を記録し、積極的に伝えるようにしよう。その際には、自分が個人的にこなした仕事量だけでなく、システムの改善や、リスクの軽減、人材育成や能力開発などの具体的な実績を示してアピールすべきだ。


