公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)は7月14日、理事会後のメディアブリーフィングで、2025-26シーズンの総入場者数が548万168人だったことを正式に発表した。島田慎二コミッショナーはこの日、さらなる10年後の到達点として「2036年目標」を初めて明確な数値とともに提示したが、日本のプロスポーツ経営として、ここまで具体的な長期目標を掲げるのは異例とも言えよう。プロ野球(日本野球機構=NPB)における事業計画の数値目標など耳にしたことはない。
この10年間の推移を振り返ると、2016年9月の歴史的なリーグ立ち上げから、決して上り調子だけの成長ではなかった。バスケのみならず、未曾有の逆風にもさらされた。開幕から微増を続けたのち、新型コロナウイルスの感染拡大により2019-20シーズンから2021-22シーズンにかけ入場者数は激減。そこからV字回復により、2022-23シーズン以降は毎年最多記録を更新し続けている。危機を経験したからこその、リーグとしての学びもあったはずだ。
数字を見ると、成長を牽引しているのが必ずしもトップカテゴリーだけではないと理解できる。同コミッショナーは「B1が平均5000人超えで、B2が3000人を超えるというのは、改めてB2の頑張りが全体の数字を引き上げてくれていると感じています」と強調した。
神戸に新アリーナが誕生したことも大きいが、IGアリーナが拠点の名古屋ダイヤモンドドルフィンズの今季の入場者数が平均1万人を突破し、ららアリーナ東京ベイが拠点の千葉ジェッツも同様に1万人を超えたことは象徴的である。新しいアリーナを核とした集客モデルが、上位クラブだけでなく地方クラブにも波及し始めている手応えを、この日の発表は物語っていた。Bリーグ全体で前年から63万人以上増加の548万人、シーズン最多記録更新。Bリーグ開幕から10年、2016-17シーズンの約2.5倍という動員は、一過性の人気ではない。
だが、コミッショナーが語った本題は過去の実績ではなく、これから10年の設計図だ。掲げられたのは「感動立国―地域創生リーグ―」というビジョンのもと、「バスケの世界地図に、東の頂を。事業規模・競技力で世界No.2のリーグを、ここ日本に」という到達点だ。Bリーグは2026-27シーズンより昇降格を廃止したB.PREMIER(旧B1)、B.ONE(旧B2)、B.NEXT(旧B3)に移行する。
かねてより語られてきた「NBA(全米バスケットボール協会)に次ぐ世界第2位のリーグ」という表現を、コミッショナーはより輪郭のはっきりした言葉に置き換えたと説明する。「今回はより明確に、事業力と競技力──名実ともに世界第2位のリーグを目指しましょうという内容です」。



