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2026.08.13 15:30

高校進学時に父から贈られた一本の腕時計を古河電工CEOが45年使う理由

贈り、贈られたモノや体験は、人生を変えるほどの力を持つことがある。企業のトップ、リーダーたちが経験した、モノや体験に介在する特別な思い入れを紹介する。自身の生き方、サクセスストーリーにも影響を及ぼしたであろう「GIFT」の逸話には人間味あふれる姿がある。希薄化も言われる現代の人間関係とは異なる、特別な関係だ。

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THE GIFT #39

森平英也
古河電気工業 代表取締役 CEO

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一般的にクオーツ(人工水晶)の寿命は約10年といわれる。メンテナンス
メンテナンスを施し大切にされてきた。

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高校進学が決まった1981年3月、父に時計店へ連れていかれた。「高校に通うようになれば、腕時計は必要だから」と、その場で選ぶように言われ、パッと見て気に入ったものを購入。突然だったが、何だか大人扱いされた気がしてうれしかったのを覚えている。

あれから45年。私は、今もこの腕時計を使い続けている。大事に扱ってきたつもりだが、長い年月のなかで落としたりぶつけたりしたこともあり、表面のガラスにはだいぶ傷がついてしまった。とはいえ、それ以外は一度バンドが壊れ交換したのと、電池を数回交換したぐらいで、とても丈夫だ。時刻が狂うこともほとんどない。大学時代、酔って居酒屋に置き忘れ肝を冷やしたこともあったが、お店が保管してくれていて事なきを得た。

普段はものを買ってくれることのなかった父。今思えば、これから社会へ巣立つ息子に期待を込め、この時計を贈ってくれたのだろう。あれから45年間、父が思いを託した腕時計は、さまざまな場面に寄り添い、時を刻み続けてきた。ガラスの傷は、そのかけがえのない年月を感じさせる。私にとって大切な一本なのである。

一般的にクオーツ(人工水晶)の寿命は約10年といわれる。メンテナンスを施し大切にされてきた。


もりだいら・ひでや◎1965年、群馬県生まれ。90年東北大学大学院理学研究科地学専攻を修了。同年4月古河電気工業入社。2020年執行役員 情報通信ソリューション統括部門ファイバ・ケーブル事業部門長、22年取締役兼執行役員常務 情報通信ソリューション統括部門長を経て、23年より現職。

文=伊藤美玲 イラスト=東海林巨樹

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