学術誌『Journal of Research in Personality』に2026年に掲載された研究は驚くべきことを示唆しており、恋愛関係に関する研究としては近年でも最も野心的なものの1つだ。研究者たちは恋人がいる74カ国の数万人に親切さや身体的魅力から健康状態、政治的立場に至るまでさまざまな特性について自分自身とパートナーの両方を評価してもらい、データを分析した。その目的は恋愛心理学における最も古い論争の1つに決着をつけることだった。その論争とは、幸せなカップルは互いに似ている必要があるのか、それとも永続的な満足感は全く別のところから生まれるのか、というものだ。
人々がこの問いに答えようとしてきた長い歴史の中で、1つの考えが議論の中心を占めてきた。それは永続的な愛は互いの類似性の上に築かれるというものだ。共通の趣味や重なる友人関係、似たようなユーモアのセンス、似通った生い立ちなど、この論理は深く根づいており、それを基に産業が築き上げられてきた。出会い系アプリは共通する興味でユーザーを分類する。相性診断クイズは価値観や習慣をきっちり一致させると約束する。だが学術誌『Psychological Science in the Public Interest』に2012年に掲載された研究では、こうした類似性に基づくマッチングのアルゴリズムが、2人が一緒にいることでどれほど幸せになれるかを実際に予測するという説得力のある証拠は見つからなかった。
この新しい世界規模のデータは相性診断よりも奇妙で、寛容なストーリーを示している。最も幸せなカップルは概して、共通する特徴を列記したリストで最高得点を取った人々ではなく、別のことをひそかに身につけた人々だった。それはパートナーを完璧な正確さで捉えるのではなく、証拠だけから判断するよりも少し寛大な目で見ることだ。
相性以上に大事な特性
心理学者はこの傾向を「ポジティブ・イリュージョン」と呼ぶ。これは、恋愛相手を、その本人が自覚するよりも、あるいは中立的な観察者が評価するよりも親切で温かく、魅力的な人だと捉える習慣のことだ。学術誌『Journal of Personality and Social Psychology』に1996年に掲載された研究では常識に反するように思える事実が明らかになった。カップルが互いを厳密にありのままに見るよりも、互いに相手を理想化している関係の方が満足度が高く、対立に対する耐性があり、長期的に続く可能性が高いというものだ。
74カ国を対象としたデータはこの寛大な目で相手を見ることの効果を1つの研究室が単独で行う調査では到底及ばない規模で裏づけている。その傾向は相性では全くなく、自分と相手の違いをどうとらえているかだった。最も幸せなカップルは必ずしも自分と同じくらい親切、あるいは同じくらい魅力的な相手と一緒になっていたわけではない。それぞれが、自分自身よりもパートナーの方が親切で魅力的だと評価していた人々だった。この効果は非常に顕著で、親切さについての評価だけで幸せなカップルと不幸なカップルをほぼ分別できた。
これは、人々が相性について抱く考え方を改める上で重要な指摘だ。基準が重要ではないという意味でも、誰もが妥協すべきという意味でもない。最も健全に見える関係は、共通する特性を並べた表によって動いているのではなく、むしろ相手の良いところに目を向け、さりげなく良い方向に解釈するためにそれぞれが「疑わしきは罰せず」の精神で接する姿勢によって支えられているということだ。



