「今日も上昇基調ですね」
金融の街・兜町。電光掲示板が映し出す日経平均株価を見上げ、馬渕友理が微笑む。馬渕は、投資や資産形成などを女子会スタイルで学ぶコミュニティ「きんゆう女子。」を運営する会社の社長を務めている。
会の発足は2016年。金融初心者の女性数人で始めた勉強会が口コミで広がり、今や会員数は3500人を超える。昨年の組織再編を機に、23歳だった馬渕が新代表に就任した。
大学時代に音楽事業を立ち上げ、税金や為替に苦労した経験から金融知識の必要性を痛感。「お金の話は友人同士でもしづらい。気負わず交流できるサードプレイスがほしい」と、きんゆう女子の門をたたいた。
現在は勉強会だけでなく、会員アンケートを通じ、官公庁や企業のマーケティングやIR支援にも協力。その対価を運営資金に充てている。
「企業には新たな個人投資家、特に女性を取り込みたい意向がある。一方で、IR資料は堅苦しくわかりづらい。投資初心者が知りたい情報は何か、率直な声を届けています」
社会のジェンダー意識が変化するなか、あえて名称に「女子」を掲げ続けるのは、女性がもつ「感性」を生かすためだと語る。ときめきを消費行動につなげる力や、金融を楽しむ工夫。わからないと言えること。
「私たちの“わからない”が金融業界に新たな視点を提供できる。そこに大きな価値があると思っています」
まぶち・ゆり◎2001年、愛知県生まれ。明治大学在学中に音楽ビジネスを立ち上げ、卒業後はベンチャー企業に勤務。「きんゆう女子。」の理念に引かれ、株式会社きんゆう女子に参画。創設者で現会長の鈴木万梨子の後継として、25年3月に同社社長に就任。



