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食&酒

2026.08.04 16:15

「いい店教えて」に百戦錬磨の食通が思うこと。店選びには『正しい問い』こそ命

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まずは徹底的に自己分析を

相手の得意分野を見極めたら、次にやるべきは自分自身の徹底的な自己分析です。ここを疎かにしたまま質問を投げると、前述したような「丸投げ」になってしまいます。

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そもそも、人に良い店を尋ねる前に、貴方自身がその会食をどのような場にしたいのか、まずはそこをじっくりと自分の中で言語化することから始めてください。なぜその人(たち)と食事を共にしたいのか。その背景と利用シーン、そしてオゴリなのかワリカンなのかが決まれば、エリアや予算、料理のジャンルといった条件は、おのずと輪郭を帯びてきます。逆に言えば、ここが曖昧なまま人に相談するというのは、行き先も決めずに旅行代理店の窓口で「どこかいい感じの所に連れてって」と告げるようなものです。

そして、自己分析を突き詰めた結果、そもそも「レストランに行くこと」自体が最適解とは限らないという可能性にも気づくはずです。細かな条件を詰めたい商談であれば、会社の会議室であるべきですし、膝を突き合わせてワイワイ盛り上がりたいだけなら、河原でのバーベキューやホームパーティーの方がずっと目的に適うかもしれません。ここで見栄を張って無理に高級店を予約する必要など、どこにもないのです。

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ついでに言わせてもらえば、予算が厳しいのであれば、背伸びして格式張った会食の形にこだわる必要もありません。カジュアルな居酒屋の飲み放題プランで予算を気にせず心ゆくまで楽しんだり、お昼に老舗で鰻重なんてのもいい。あるいはホテルのランチで上質な雰囲気をお値打ち価格で楽しむという選択肢に切り替えるなど、方法はいくらでもあります。中途半端な予算のまま、身の丈に合わない見栄えの良い店を無理に探そうとする姿勢そのものが、聞かれる側にとっても一番答えにくいリクエストなのです。

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さて、こうして自己分析が済んだら、それをそのまま整理して相手に伝えましょう。ここで出し惜しみは禁物です。「自分の情報をどれだけ開示するか」が、返ってくる回答の質を直接左右します。質問が具体的であればあるほど、回答もまた具体的になる。これはビジネスにおける発注や相談ごとの基本スキルと、何ら変わるところはありません。

たとえば、これまで自分が良いと感じた店、逆にイマイチ合わなかった店を具体的に列挙して伝えるのも有効です。貴方が普段どのようなものを飲み食いしているかを相手が把握できれば、相手はどの程度のギャップまでなら許容範囲か、精度の高い見積もりを立てることができます。

同席者の顔ぶれも、忘れずに伝えるべき重要な情報です。特に海外からのゲストが混ざる会食は、一気に難易度が上がります。5〜6人も集まれば、ベジタリアンやヴィーガン、宗教上の制約がある人、生モノや香りの強い食材が苦手な人など、何かしらの事情を抱えた人間が必ず一人や二人は出てくるもの。当日その場で細かい相談をするわけにもいかず、かといって全員分のNG食材を漏れなく事前に洗い出すのも現実的ではありません。

だからこそ、こうした事情はむしろ早い段階で正直に共有してしまいましょう。「外国人ゲストが混ざる」「アレルギー対応が必要になるかもしれない」という一報さえあれば、聞かれた側はその条件を踏まえた上で候補を絞り込めます。多国籍な客層に慣れている店、食材の代替に融通が利く店。そうした店を見繕えるかどうかもまた、日頃から数多くの店を見てきた食通の腕の見せ所なのです。

また、緊急度や熱量を伝えることも忘れないでください。ただの情報収集として「そのうち行けたらいいな」程度の温度なのか、あるいは「絶対に失敗できない大切な顔合わせの食事」なのか。この一言があるだけで、答える側のテンションはまるで変わります。「貴方を100%信頼し、すぐにでも予約を入れます」という切実さが伝わってくる相談には、自然と本気で応えたくなるものです。

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