3.「一番を教えて、そこ知ってる、後出し」もやめて……
似たパターンで、「一番いいお店を教えて」というリクエストも困りものです。「一番」など存在しません。ジャンル、予算、気分、その日の体調、同伴者との関係性。すべての条件によって最適解は変わるのであり、万能の一軒を求めること自体がそもそもの誤りです。
いくつか候補を出しても、「あ、そこ行ったことある」「そこも知ってる」と、面接官のように一つずつ却下されていくパターンもこたえます。それなら最初から「既に行ったことがある店リスト」を提出して頂き、短評を加えた上で相談に来てくれた方がお互い建設的です。
真剣に答えたつもりが、こちらの回答基準そのものを頭ごなしに否定されることもあります。以前、「恵比寿で良いお店ある?」と聞かれたので自信をもって「ロブション」と即答したところ、「高すぎだよ。そうじゃないことぐらいわかるでしょ? 意地悪しないでよ」と怒られたことがあります。こちらは本気でその答えがベストだと思って提示しているのに、後出しで「高すぎ」などと制約を追加されても、それなら最初から予算を伝えてくれとしか言いようがありません。
4. 「無償のリサーチ業務の丸投げ」も作法外
そして、こちらが最も違和感を覚えるのが、まるで生成AIか検索エンジンのように扱われるパターンです。「六本木のオススメの店をリストにして送って」「和食・中華・フレンチ・イタリアン、それぞれ3軒ずつ、予算1万円以内で教えて」。ここまでくると、もはや相談ではなく、無償のリサーチ業務の丸投げです。こういう扱いをされると、店選びに協力する気力以前に、人間関係そのものの距離感を見直したくなります。
5. 自分で確認しない困った人
極め付けは、「何曜日が空いてるかな? 予約は必要かな? 子連れでも大丈夫そう?」といった、お店の運営状況にまで踏み込んで深堀りしてくるタイプです。そんな細かい話は、直接お店に確認していただきたい。こういう質問をぶつけられると、こちらは「この人は自分で調べる・確認するという初動が取れない人なんだな」と静かに察してしまいます。
お気づきでしょうか。実は「オススメのお店を聞く」という行為は、ビジネスにおけるRFP(提案依頼書)や調達仕様書を書く作業と、本質的には何ら変わりません。目的、条件、予算、制約。それらを整理せずに「いい感じの提案をください」とだけ投げて来る担当者がいたら、まともな取引先はまず本気を出してくれないでしょう。お店選びの相談も、これと全く同じ構造なのです。


