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食&酒

2026.08.04 16:15

「いい店教えて」に百戦錬磨の食通が思うこと。店選びには『正しい問い』こそ命

AdobeStock

まずは、私自身が実際に困惑した「聞かれ方」をいくつか紹介させてください。

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1.丸投げされると解は「無難」に

一番多いのが、抽象的すぎる基準による完全丸投げです。「オススメの店、ありますか?」とだけ聞かれるのは、正直かなり困ります。これは検索ワードを何一つ指定しないまま「検索」ボタンだけ押しているのと同じであり、答えようがありません。

料理がいくら美味しくても、旧知の仲とワイワイ飲みたい場合と、取引先の接待、初デートで使う店、あるいは枯れた不倫関係を清算するためのラストディナーとでは、選ぶべき店はまるで別物になります。目的がわからないままお店を勧めてしまうと、万が一その場にそぐわなかった時の責任が持てません。そのため、こちらとしてもどうしても当たり障りのない無難な一軒しか提示できなくなる。そもそも質問が雑だと答える側の熱量も自然と目減りし、「正解を探す」作業ではなく「無難に済ませる」作業になってしまうのです。

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2. 妄想願望をぶつけられると、「穏便にやり過ごそう」となる

次に困るのが、矛盾した条件を詰め込んでくるケースです。「安くて超美味しい店」「人気だけどすぐ予約が取れる店」。そんな都合の良い店が本当に存在するなら、とっくの昔に予約サイトの人気ランキング上位を独占しているはずです。「きちんとした日本料理店でタバコが吸える店ってある?」「銀座でこだわりのワインが飲めて、雰囲気が良くて、若い子があまり来ない落ち着いた店で、飲んで食べて7000円以内」。

この手の都合の良すぎる組み合わせを真顔で聞かれると、こちらとしては「この人は本当に東京の飲食シーンの相場観をまるで分かっていないんだな」と悟らざるを得ません。市場原理を度外視した願望をぶつけられたところで、こちらが持てる知見を総動員して応える気力は湧いてこない。真剣に向き合うだけ時間の無駄だと判断し、その場を穏便にやり過ごすための一言で済ませてしまう、という選択に落ち着いてしまうのです。

次ページ > 「一番いいお店を教えて」というリクエストも困りもの

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