4. オーディエンスの連絡先をプラットフォームの外に確保する
メタは今年、コンテンツ審査依頼のおよそ半分を人間から大規模言語モデルに移行しており、年末までに一部のコンテンツタイプでは9割超まで引き上げる計画だ。メタによれば、3月以降の社内テストでは、同社のモデルは人間の審査担当者よりエラーが13%少なく、規約違反の検出数は10%多いという。だが従業員からは、移行のペースが速すぎ、問題のないコンテンツまで誤って削除されているとの警告が上がっている。
これほどの規模でアカウント停止を判断するモデルは、平均的なケースは正しく処理できても、例外的なケースでは間違える。数百万件は正しくても、数千件は誤りになる。その数千件の1つに自社アカウントが含まれる可能性もある。だからこそ、熱心なフォロワーからメールアドレスを収集し、プラットフォームに依存しない顧客リストを構築しておくべきだ。顧客との直接的な接点は自社で確実に保持しておく必要がある。
5. ロビー活動を注視しつつ、事業構築の手は止めない
先に公表された連邦ロビー活動の開示資料によると、Anthropicは2026年第2四半期に197万ドル(約3億2300万円)を支出した。前四半期比26%増で、半導体大手エヌビディアの支出額をも上回る。OpenAIは18%増の120万ドル(約2億円)だった。AI企業各社の四半期支出は合計317万ドル(約5億2000万円)に達し、第1四半期から23%増加。届け出には優先課題として、サイバーセキュリティ、著作権、クラウドコンピューティング、防衛調達が並んでいる。
AIを開発する企業が、ルールへの影響力を確保するために毎四半期数百万ドル(数億円)を注ぎ込むのは、ルールが1つ変わるだけで数カ月の作り直しを迫られるからだ。ルールはこれからも変わり続ける。だが、創業者はそれより速く動ける。事業のオファーは1週間で作り直せる。委員会もなければ、決裁待ちの列もない。ルールが変わるたびに動けるよう、ビジネスは身軽に保っておこう。
あなたのビジネスに影響するAIの動き
エージェントは、与えられたアクセス権が及ぶ範囲ならどこまでも行く。読者は誰が書いたのかを確認できるようになった。高性能なモデルは毎月安くなり、プラットフォームは人間を介さずにアカウントを消せるようになり、AI企業はルールブックを書くために数百万ドル(数億円)を払っている。とはいえ、これらに対応するために最高AI責任者を置く必要はない。手元にある情報で最善の判断を下したら、自分のビジネスの経営に戻ろう。


