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2026.07.24 09:07

昇進しても消えない「インポスター症候群」、脳が更新を止める瞬間

Adobe Stock

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40年間にわたるデータのレビューによると、インポスター症候群を経験するプロフェッショナルの割合は最大82%に達する。これは、一部の不安を抱えやすい人だけが苦しむものではなく、むしろ上昇志向を持つ人のほぼデフォルトの初期設定と言える。この症状は男女を問わず現れるが、4万人以上を対象とした最新のメタ分析では、女性の方が一貫してスコアが高く、キャリアの階段を上るほどその感情が強まることが分かっている。KPMGが、経営幹部(Cクラス)の1、2段階手前の役職にある女性750人を対象に実施した調査では、昇進やそれを裏付ける実績があるにもかかわらず、75%が「自分はペテン師であるかのように感じたことがある」と回答している。

このパターンが奇妙に思えるのは、インポスター症候群を「自信の問題」と捉えているからにすぎない。実際には、それは「補正の問題」に近い。脳は早い段階で自身の能力に対する評価を定めてしまい、本人の変化に合わせてその評価を更新できなくなっているのだ。頂点に立ったときに抱く疑念は、能力に対する最終宣告ではなく、単に脳が更新を怠った過去の測定値にすぎない。そして、更新されなかった理由には明確な原因があり、それに対する具体的な対策も存在する。

「インポスターの声」は古い分析結果

スターバックス元CEOのハワード・シュルツは、この矛盾を率直に表現している。彼はニューヨーク・タイムズの取材に対し、最高責任者の地位を振り返り、今日自分がその資格があると「本気で思っている」人は極めて少なく、そのほとんどがそれを口に出そうとはしないと語った。最高経営責任者が自分の力不足を感じる理由は、新しく昇進したアナリストが、いまだに他人の仕事をチェックする新人であるかのように感じてしまう理由と同じだ。脳は早い時期、つまり実際に周囲で最も経験の浅い人物であった頃に、能力のイメージを構築し、それを基準(ベースライン)として扱い続けるのである。

本来であれば、そのイメージは更新され続けるはずだ。仕事が予想以上の成果を上げるたびに、脳の予測と実際の成果とのギャップがシグナルとなり、評価を上方修正する。しかし、この修正プロセスには偏りがある。まだ成長の余地がある場合、人は称賛よりも批判に対してより多く更新を行う傾向があり、この偏りは当初自分に自信がなかった人ほど顕著になる。評価を高めるはずの好意的な情報こそ、脳のシステムによって過小評価されてしまうのだ。

そのため、スキルや責任、成果が上がり続けても、自己評価は最初に設定した水準近くで停滞したままになる。そして、その乖離が大きくなるほど、「自分は偽物だ」という感覚は強くなる。成功してもその不安が消えるどころか、むしろ研ぎ澄まされていくのはこのためだ。「インポスターの声」は真の実力を測っているのではなく、初心者の頃に設定し、一度も更新してこなかった自己評価から、現在の現実がどれほど遠く離れているかを示しているにすぎない。

称賛を「脅威」と捉えるのをやめる

停滞した評価がこれほど頑強なのは、それを修正できるはずの証拠そのものを拒絶してしまうからだ。褒め言葉を受け取ると、それは脳内にある既存の自己イメージと矛盾する。その結果、脳は「周囲から評価されている有能な自分」と、「いつかメッキが剥がれるのを恐れている偽物の自分」という2つのバージョンを同時に保持することになる。この矛盾は報酬よりも先に「脅威」として認識されるため、褒め言葉は安心させるどころか、警戒させる。自己評価を更新するための称賛が、受け入れるべきものではなく、やり過ごすべきものとして処理されてしまうのだ。

こうして、心は褒め言葉をやり過ごす言い訳を作り出す。好結果は「運が良かったから」「状況が有利だったから」「聞き手が寛大だったから」、あるいは「たまたま自分に有利な間違いが起きたから」とされ、過去の古い自己認識に影響を与えないように、その証拠はそっと片付けられてしまう。こうした責任逃れをするたびに、脳の測定値は全く更新されないまま放置される。この習慣の代償は大きい。インポスター症候群を抱える人は、会議で発言を控えたり、挑戦的な仕事を辞退したりする傾向があるからだ。KPMGの調査によると、女性幹部の81%が、同等の男性同僚と比較して「失敗してはならない」というプレッシャーを自分自身に強く課している。このループは自己完結型であり、放置しておくと緩むことはなく、むしろ認めることを拒んだ成功を重ねるたびにきつく締め付けられていく。

「意識的な補正」を行う

自己評価が自動的に更新されず、都合の良い情報を積極的に排除してしまうのであれば、意識的に修正を加えなければならない。これは、インポスター症候群とは無縁に見える人々との境界線でもある。彼らが他人より特別に才能に恵まれていたり、絶対的な確信を持っていたりするわけではない。彼らは単に良いニュースをそのまま受け入れ、多くの人がブロックしてしまう更新ループを迅速に回しているにすぎない。補正とは、彼らが無意識に行っていることを、意識的に行うよう学習することであり、それはいくつかの具体的な習慣に集約される。

まずは、証拠を「自分が感じる安心感」ではなく、「記録すべきデータ」として扱うことから始めよう。なんとなくうまくいったという曖昧な感覚は翌朝には消えてしまうが、自分が実際に行った具体的な行動、下した決断、発見した問題、改善した数値などを書き留めておけば、脳はお世辞として片付けることができなくなる。次に、結果に対する「要因の帰属」をその場で修正することだ。心が「運やタイミングのおかげ」と決めつける前に、良い結果をもたらした自分自身の具体的な役割を特定する。勝利が自分の手柄として認められて初めて、自己評価は向上するからだ。最後に、距離を置くことで負のスパイラルを断ち切る。心の中で自分の名前や三人称を使って自分自身に語りかけることは、感情的な興奮を鎮め、疑念に溺れることなく証拠を冷静に見つめ直す助けとなる。

これらを実行したからといって、すべてが一気に解決するわけではない。不確実な状況に耐える力が、固定された不変の特性ではなく訓練可能な規律であるのと同様に、これは実践の積み重ねだ。普段なら聞き流してしまうような自分の成果を、意識的に認めるようにするたびに、自己評価は少しずつ変化していく。

自分をペテン師のように感じてきた75%の女性幹部たちは、自身の才能を見誤っているのではない。ただ、何年も前に更新を止めてしまった計器を読み取っているだけなのだ。測定値と現実との距離を少しずつ縮めていけば、やがてその「インポスターの声」が伝えるべきことは何も残らなくなる。

forbes.com 原文

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