米国時間7月23日、親イラン武装組織のフーシ派が紅海でサウジアラビアのタンカーを標的に攻撃を行ったことで、世界の原油価格は1バレルあたり98ドルを超えて急騰した。また、マルコ・ルビオ国務長官がイランには合意を交わす準備はできていないと述べるなど、イランをめぐる情勢の緊迫化が目立つ。
イランがサウジアラビアのタンカーに対して攻撃、原油相場が急騰
国際原油指標の北海ブレント原油先物価格は今週初めに記録した1バレルあたり約90ドルから、23日には98.45ドルまで急騰した。
今年6月の暫定的な和平合意によってもたらされた原油価格の下落傾向は、両陣営による軍事行動の再開によって急反転しており、現在では2カ月以上ぶりの高値水準に近づいている。
米国原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物も急騰し、1カ月以上ぶりに1バレルあたり90ドルの大台に乗せた。
今回の価格急騰は、紅海とインド洋を結ぶ原油輸送の要衝であるバブ・エル・マンデブ海峡を通過しようとしたサウジアラビアの石油タンカー2隻に対し、ドローンおよびミサイルによる攻撃が行われたことを受けたものだ。
国営サウジ通信はその内の1隻「エンセリア」が攻撃を受けたこと認め、「船首部分で火災が発生した」ものの乗組員は全員無事であると伝えた。
ガソリン全米平均は1ガロンあたり4.09ドル
全米自動車協会(AAA)のデータによると、全米ガソリン平均価格は先週につけた1ガロンあたり3.94ドルから23日には4.09ドル(1リットルあたり約172円相当。1ドル=163円換算)へと上昇した。20日には1カ月以上ぶりに1ガロンあたり4ドルを突破していた。ここ数週間のガソリン高に不満を募らせ、石油会社が便乗値上げをしていると主張し、イラン紛争の拡大を予告しているドナルド・トランプ大統領にとって、ガソリン価格の継続的な上昇はさらなる焦燥の種となりそうだ。
ルビオ、イランが合意を懇願していると主張
マニラで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議にてイラン紛争に言及したルビオは、イランが「直接的・間接的に我々に合意を請い求めている」と主張した。しかし、合意に達するたびに「指導部がそれを破るか変更を求めてくる」ため、イラン側に「合意を交わす準備」ができているようには見えないと語った。また、フーシ派による攻撃についてはその停止を望む旨を述べ、「彼らは本当にそのようなことをすべきではない。イラン人に丸め込まれているのだ」と付け加えた。
イラン外務省報道官、民生インフラへの攻撃は「違法で犯罪」と非難
イラン外務省のエスマイル・バガエイ報道官は、Xに投稿した長文の声明で、同国の民間インフラを攻撃・破壊するというトランプの最新の脅迫に反発した。「米国の支配者層は、戦争と殺戮に対する飽くなき欲望のために、国際人道法や人類の倫理・文明の基盤として残されているすべてのものを犠牲にしようとしている。橋梁や発電所の破壊を呼びかける政策は、明白に違法であり犯罪的だ(中略)イランはこうした無法行為や法の軽視に対し、確固たる態度で断固として立ち向かう」。



