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2026.07.24 08:03

CXにおいてAI単独では機能しない──顧客にとって有意義な「瞬間」の創出に活用してこそ活きる

Adobe Stock

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現在、顧客体験(CX)の分野である問題が生じている。

企業は、顧客対応のあり方を変革するために、AIや自動化、アナリティクスへと積極的に投資している。しかし、その多くはいまだに、テクノロジーとサービスの提供を別々の機能として管理している。プラットフォームの選定はあるチームが行い、運用モデルは別のチームが管理する。そして、現場の担当者のトレーニングは、テクノロジーに関する意思決定がすべて下された後の「下流」の工程で行われる。

今日の企業におけるAI導入において、こうしたモデルは大きなコストを伴う可能性がある。

Forbesの最近の記事によると、CXプラットフォームを提供するNextivaの調査では、92%の企業が何らかの段階で顧客とのやり取りにAIを導入しており、一方で55%はまだ導入の初期段階にある。同じ調査では、回答者の10人中9人近くが、最良の顧客体験は自動化、AI、人間のバランスから生まれると考えていることも明らかになった。しかし、2025年のレポートでは、AIによる結果と待ち時間が同じであっても、消費者の82%が人間によるサポートを好むことが示されている。

この葛藤こそが、現在のCX市場の現状を物語っている。現在のAIはいわば「西部開拓時代」にあり、既存システムへの導入レースが過熱する一方で、多くの顧客はAIとの対話に不安を感じたり、率直にいら立ちを覚えたりしている。

企業は、顧客にとって本当に重要な瞬間に、AIを有用で信頼でき、効果的なものにするための運用モデルをどのように構築すればよいのか。

その答えは、「真のオーケストレーション(統合・調和)」にある。

真のオーケストレーションとはどのようなものか

テクノロジーチームとサービスチームが独立して動いていると、すぐにギャップが生じる。例えば、顧客が実際に抱える問題の表現方法を反映していないポリシーに基づいて、バーチャルエージェントが学習されてしまうかもしれない。あるいは、担当者支援ツールが適切な情報を提示しても、会話の的外れなタイミングになってしまうかもしれない。また、ボットが簡単な問い合わせを効率的に解決できても、複雑なやり取りを文脈(コンテキスト)なしで引き継ぐため、顧客に同じ説明を何度も繰り返させることになるかもしれない。

こうした失敗は、どれもテクノロジーだけの失敗ではない。デザインの失敗なのだ。より具体的に言えば、オーケストレーションの失敗である。

AI単独では、優れた顧客体験を創出することはできない。AIには、業務上の文脈、クリーンなデータ、ガバナンス、フィードバックループ、そして顧客対応における感情的・実務的な現実を理解している人材が必要だ。競合から抜け出す企業は、自社の「デジタルインテリジェンス」と、人間の経験に裏付けられた「オペレーショナルインテリジェンス(運用の知性)」を結びつけている。

それには、これまでとは異なる働き方が求められる。

コンタクトセンターが主導するテクノロジー戦略

かつて企業は、コンタクトセンターをテクノロジー戦略を「実行する場所」として扱っていたかもしれない。しかし現在、コンタクトセンターは戦略を「形成する場所」であるべきだ。現場のデータ、担当者からのフィードバック、顧客感情、品質に関するインサイト、そして運用のパターンを、AIのトレーニング方法、自動化の導入場所、およびいつ人間の判断に引き継ぐべきかの判断に反映させる必要がある。

ここで多くの組織が、主導権(オーナーシップ)のあり方を再考する必要がある。顧客体験におけるAIは、IT、デジタル、運用、マーケティングのいずれか単一の部門に完全に委ねることはできない。それらすべてを横断するものだからだ。だからこそ、戦略、リスク、データ、人員計画、および実行を結びつけるために、専任のAIリーダーシップ、AI評議会、あるいは部門横断的なガバナンスグループを設置する企業が増えている。IBMが実施した2025年のCEO意識調査では、50%が、AIへの急速な投資によって組織内のテクノロジーが寸断され、ばらばらになっていると回答した。また、同調査では、68%が部門横断的なコラボレーションにおいて、企業全体で統合されたデータアーキテクチャが不可欠であると考えていることも示された。

CXのリーダーたちにとって、これは実務上の意味を持つ。

AIのプロダクトオーナーは、技術チームだけでなく、運用の責任者とも直接連携する。品質管理チームは、わずかな割合のやり取りをサンプリングする手法から、より多くの会話からパターンを特定できるAI搭載のアナリティクスの活用へと移行する。私の経験上、AIを活用したアプローチは、チャネルをまたいだ対話パターンを分析し、従来の品質保証ツールよりも迅速に、コーチングやコンプライアンスの課題、顧客の不満が生じている箇所をあぶり出すことができる。

新たな役割への準備を整える必要がある。例えば、ブランドの声(トーン&マナー)と業務運用のポリシーの双方を理解しているデザイナーとの対話を増やす。また、AIの出力を評価し、失敗パターンを特定し、ナレッジソースを洗練させるためのAIトレーナーやスーパーバイザーを配置することなどが挙げられる。

既存の役割が変化していくことも想定すべきだ。要員計画を担当するチームは、配置人員のボリュームだけでなく、判断力、共感力、例外処理、およびAIの監督(スーパービジョン)といった新たなスキルも考慮する必要がある。運用のリーダーはデータをより深く理解する必要があり、テクノロジーのリーダーはサービス提供の現場の現実をより深く理解する必要がある。

顧客の意図と信頼を軸に構築するAI対話

これは単なる構造改革ではなく、マインドセットの改革だ。従来の「どの対応を自動化できるか」というアプローチから、今や「それぞれの対応で何を達成すべきか。そして、AIと人間の専門知識をどのように組み合わせれば、最善の成果が得られるか」という問いを立てるべきだ。

完全に自動化することが答えである場合もある。残高照会、住所変更、予約確認などを行う顧客は、AIが正確かつ安全にリクエストを処理できるのであれば、人間の対応を待つ必要はない。

AIが支援する人間によるサービスが答えである場合もある。請求に関するトラブル、配送の遅延、医療に関する質問、あるいは経済的な困窮に対応する顧客は、話に耳を傾け、ニュアンスを汲み取り、判断を下すことができる担当者を必要とするかもしれない。こうした局面でも、AIはこれまでの履歴を要約したり、次に取るべき最適なアクションを提案したり、コンプライアンス要件を特定したり、通話後の後処理業務を削減したりすることで、価値ある役割を果たすことができる。しかし、信頼を築く中心にいるのは、あくまでも人間である。

そして、先を見越した(プロアクティブな)介入が答えになる場合もある。既知の問題のために顧客が電話をかけてくる可能性が高いことがデータから示されているなら、顧客が問い合わせをしてくる前にこちらから通知することこそが、最善の体験となるだろう。

これこそが、AIを真にうまく活用することの意味だ。ただ自動化するのではなく、顧客の意図、ビジネス価値、そしてその瞬間に求められる信頼のレベルを中心に据えて、体験を設計する。

CXの未来は、孤立したAIの配備にあるのではなく、テクノロジー、運用、および人間が絶えず情報を共有し合い、高め合う、オーケストレーションされたエコシステムにあると私は信じている。

AI自体が差別化要因になるのではない。差別化要因となるのは、テクノロジー、データ、および人間の専門知識をどれほど巧みにつなぎ合わせ、顧客に利益をもたらす一つのシステムとして統合できるかという点である。

forbes.com 原文

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