キャリア

2026.07.24 07:11

行列を飛び越える:優れたキャリアが「リスクヘッジ」ではなく「リスクテイク」で築かれる理由

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キャリアの成功は、懸命に働き、賢明な決断を下し、着実に上昇していくという合理的な道筋をたどるものだという根強い信念がある。

だが実際には、成功するキャリアが一直線であることはまれだ。そこには論理、直感、そして予測可能な範囲の外へ踏み出し、書面上では完全には筋が通らないリスクを取る瞬間が影響している。

野心的なプロフェッショナルが最終的に直面する問いはシンプルだ。自分とまったく同じことをしている他の19人の優秀な人たちを、どうやって出し抜くか。その答えは、ゲームのルールを変え、行列を飛び越えることだ。

安全策を取ることの問題

懸命に働くことは不可欠だ。しかし、投資銀行やコンサルティングからバイオテクノロジー、製薬業界に至るまで、競争の激しい環境では誰もが懸命に働いている。それは大前提にすぎない。頭角を現す人を分かつのは「差別化」だ。そして差別化とは、期待されていることを他者よりうまくこなすことからは滅多に生まれない。異なる何かを行うことから生まれるのだ。

エリート教育、一流企業への就職、そして段階的な昇進という伝統的なキャリアパスは、安定をもたらす。しかし同時に、同等に優秀な人々が、限られた数の指導的な役職をめぐって競い合うボトルネックも生み出す。ある時点で、この「合理的な道」は最適解ではなくなる。

最も成功しているキャリアは、チェッカー(西洋碁)の駒の動きではなく、チェスの戦略的な一手によって築かれている。それらは常に上昇志向とは限らず、一見して明らかな選択でもないが、極めて意図的なものだ。

かつて関わったある科学者は、学術界から大手製薬会社へ移籍し、そこからポートフォリオ戦略部門へと転身して、科学を「実践する側」から「評価する側」へとシフトした。その後、彼は安定した地位を捨て、より小さな会社の中堅幹部候補として転職した。

書類上では、これらの転職はいずれも昇進には見えなかった。横滑りの異動や、リスクのある選択に見えるものもあった。しかし、それぞれのステップが、科学的専門知識、戦略的思考、業務の現場経験、そしてより幅広いリーダーシップ経験といった、新たな側面をもたらした。

CEOになる機会が訪れたとき、彼は他の人にはない形で準備ができていた。最終的に彼は、会社を成功裏の買収へと導いた。

これこそが「行列を飛び越える」ということの真の意味だ。直線的な歩みではなく、時間をかけて積み重なる一連の計算されたリスクテイクなのである。

先んじる勇気

高いポテンシャルを秘めたリーダーの決定的な特徴は、十分な準備が整ったと感じる前に、その役割に飛び込む意思があることだ。大半の人は、自分がその資格を満たしていると感じるまで待ってしまう。しかしその頃には、好機はすでに去っていることが多い。

プロフェッショナルが犯す最大の過ちの一つは、より高い給与、より大きな肩書、あるいは知名度の高いブランドといった、短期的な報酬を最優先することだ。それらも重要ではあるが、長期的なキャリアの軌道を決定づけることは滅多にない。お金のために動くのは短期的な勝利にすぎない。学びのために動くことこそが、長期的な戦略である。

将来のリーダーたちは、自らの能力を拡張する経験を優先する。彼らは他部門を横断し、実力以上の仕事をあえて引き受け、適応と成長を余儀なくされる環境を自ら求める。

こうした決断の先行きは不透明なことが多いが、それこそがリーダーシップに求められる視野の広さを養うのだ。

エグゼクティブサーチの視点から言えば、最も魅力的な候補者とは、必ずしも過去にその仕事を経験したことがある人物ではない。継続的な成長、知的好奇心、そして自己変革を必要とする課題に挑み続けてきた実績を示す人物だ。

彼らは、心地よくない環境に身を置くことを恐れない。

人生を左右するような重大な決断が、完璧な情報に基づいて下されることは滅多にない。それらは、タイミング、好奇心、そして「今こそ新しいことを始める時だ」という直感によって形成される。直感的に「正しい」と感じるからこそその役割を引き受け、自分に合わなくなれば去る。履歴書にきれいに収まらなくとも、自分の野心に合致する機会を追求するのだ。

これには、自己理解と、不確実性の中でも行動を起こせる自信が必要となる。

ある人にとって「行列を飛び越える」とは、財務からオペレーションへの転身や、科学分野から事業開発への移行を意味するかもしれない。また別の人にとっては、大企業を去って、先行き不透明な中小企業へ移ることを意味するかもしれない。時には、現在の自分の能力を超えていると感じる役割に飛び込むことを意味することもある。

万人に共通する青写真など存在しない。重要なのは、その選択が単に段階的な利益をもたらすだけでなく、自身の視野と能力を広げてくれるかどうかだ。

機会、タイミング、経験の幅

キャリアは、タイミング、経験の幅、そして人間関係によって形づくられる。

適切な会話、紹介、あるいは機会は、一晩にしてキャリアの軌道を変えることがある。

多様な経験やネットワークを築いている人は、他の人が見過ごしてしまうような機会に出会う可能性が高い。そうした瞬間が訪れたとき、それを察知して行動を起こすことが極めて重要になる。

エグゼクティブサーチ企業での私の仕事を通じて、キャリアの軌道を飛躍させ、より大きな成功への足がかりを築いた人々を数多く見てきた。ある候補者は、キャリアの大部分を大手コンサルティングファームでの昇進に費やしてきた。彼女の知性、想像力、スタイルを評価した私たちは、彼女を大手ベンチャーキャピタルファンドの最高執行責任者(COO)にスカウトした。これは従来の常識を覆す異動であった。

この候補者はその好機を自ら進んで受け入れた。コンサルタントとして成功し続ける道はいつでもあったが、今オペレーションの役職に就くことが、自身のプロフィールを根本的に刷新することになると理解していたからだ。それは組織のリーダーシップ経験というポートフォリオを加え、将来的なCEO就任の可能性を大幅に高めることを意味していた。

予測可能性の罠を避ける

組織は信頼性と予測可能性を評価するが、予測可能であることには代償が伴う。

一貫して最も安全な選択肢を選び続ければ、非常に効率的な人材にはなれるかもしれないが、同時に「いくらでも替えが利く人材」になってしまう。やがてあなたのキャリアは、内なる野心ではなく、周囲からの期待によって形作られるようになる。行列を飛び越えるには、自分が今どこにいるのか、何を学んでいるのか、そして進んでいる道が真に自分を向上させているのか、それとも単に現状を維持させているだけなのかを、定期的に再評価する必要がある。

成功が、完璧に計画された昇進のステップを通じて訪れることは極めて稀だ。多くの場合、それは一連の選択(計算されたものもあれば、本能的なものもある)から生まれる。そして、予測されるキャリアパスの先へとあなたを導くのだ。そのためには、リスクを厭わず、不確実性を受け入れ、自らの能力を押し広げる役割へと踏み出す意思が必要となる。

forbes.com 原文

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