2年前、ウクライナは重爆撃ドローンに搭載するレーザー誘導弾を実験していたが、これはその後、姿を消したようだ。これもやはりレーザー指示器やレーザーシーカーが高価なためだろう。それに対して、1万フリブニャ程度の誘導弾であれば大きな需要が見込まれる。
ファイアフライの技術は現在、ウクライナの防衛技術アクセラレーター「Brave1(ブレイブ・ワン)」を通じてライセンス供与されており、ほかの企業も自社製品に組み込めるようになっている。
次の段階は誘導滑空爆弾
多くの爆撃動画と同じように、ファイアフライの実証動画でも目標のほぼ真上から爆撃する様子が映っている。しかし、コレスニクも述べているように、爆撃ドローンの運用部隊が本当に求めているのは、迎撃ドローンなどの防空手段の射程外から攻撃できるスタンドオフ能力を備えた兵器だ。そのため、爆撃ドローンをFPVドローン母機として活用する実験も進められている。
ジェット機は、誘導爆弾をどのように遠距離から投下できるかを示している。ウクライナにも供与されている米空軍のJDAMシリーズは24km程度の射程を持ち、展開式の翼を備えた派生型のJDAM-ERでは射程が3倍の約72kmに伸びている。ロシア軍も誘導爆弾を重砲のような役割で日常的に使用しており、前線から安全な距離で投下し、ウクライナ軍が陣取る樹林帯や建物を攻撃している。
こうした射程が可能なのは、時速数百kmで飛行する航空機から発射されるからだ。時速65km程度で飛行するマルチコプターでは射程はそこまで伸びないだろうが、それでも高度の数倍には達する可能性がある。最適な翼を備えれば、1.5kmかそこら離れた場所から攻撃することも可能だろう。
ウクライナのメーカーは、独自のカメラを搭載し、目標をロックオンしたあと滑空して直撃するドローン用小型弾薬の開発にも取り組んでいる。
ファイアフライは、他国に同様の兵器が存在しない場合でも、ウクライナの防衛産業が新たな兵器を迅速に開発・生産できることをあらためて示した。しかも、それをきわめて低コストで実現している。
こうした小型の誘導弾薬が広く使われるようになれば、ドローン戦に新たな変化が加わり、ドローンへの対処はまた少し難しくなるだろう。進化はさらに続いている。


