カルチャーは、当社における働き方の中核である。私たちは、日々の採用、昇進、報酬、従業員支援のあり方を導く共通の価値観に根ざした、意識的なカルチャーを重視している。
それが主流になるはるか以前から、当社は週4日勤務を導入していた。また、年次の人事評価を廃止し、Entrepreneurial Operating System(EOS)と四半期ごとの目標、そして期待値と成果に関する継続的なフィードバックへと移行した。
多くの企業が価値観や柔軟性について語るなか、私たちの組織が他と異なるのは、組織全体を完全にリモートで構築した点だ。では、どのようにしてそれが可能なのか、疑問に思うかもしれない。Zoom越しにしか顔を合わせない従業員が、目標を達成し、週4日勤務を維持していると信頼することなど不可能なはずだ、と。
だが、それは可能である。信頼は、物理的な近さによって築かれるものではない。明確さ、コミュニケーション、説明責任、そして共感によって築かれる。リモートワークは、組織が成果を測定可能にし、従業員が支えられていると感じられる仕組みを意図的につくることで成功する。
オープンなコミュニケーションを維持する
明確なコミュニケーションは、どのような職場においても信頼の基盤となるが、リモート環境ではさらに重要性が増す。調査によると、リモートワーカーの85%がマネージャーからの明確なコミュニケーションを望んでいるものの、それを一貫して受け取っていると実感しているのはわずか51%にすぎない。明確なフィードバックを受け取っている人に至っては、さらに少なく40%にとどまる。
明確さがなければ、従業員はすぐに孤立感を抱いたり、優先順位に不安を感じたりする。時間がたつにつれ、その不確実性は不満、エンゲージメントの低下、生産性の低下につながり得る。
強固なリモート組織は、この課題に先手を打って取り組んでいる。マネージャーは、定期的な1対1の面談やチームでの進捗確認(チェックイン)の場を設け、従業員が優先事項について話し合い、課題を浮き彫りにし、率直にフィードバックを交わせるようにすべきだ。
同様に重要なのが、チーム間の状況を可視化する仕組みだ。ソフトウェアツールを活用すれば、チームの締め切りの追跡、進捗の記録、フィードバックの一元化が可能になり、期待値の透明性を保つことができる。
ただし、コミュニケーションは生産性だけのためにあるわけではない。リモートチームには、情報のやり取りや率直な会話のための場も必要だ。実際に集まる給湯室がないからといって、そのような場を設けられないわけではない。
リーダーが従業員に率直な発言を促す環境を育めば、コラボレーションが強化され、組織全体で信頼が深まる。
明確な期待値を設定する
信頼は、期待値が明確なときに育つ。特にリモート環境では、曖昧さが不要なストレスと非効率を生む。従業員は、個人の責任とチーム全体の期待値の双方に加え、明確に定義されたコミュニケーションと成果の基準を理解しているべきである。
例えば、チームプロジェクトに取り組む際は、チームメンバーが連絡可能な時間帯、返信時間、コミュニケーション方法に関するプロトコル(決まりごと)を設定する。これにより、摩擦が軽減され、全員が自信を持って業務を進められるようになる。
成功がどのように測定されるのかを従業員が理解し、その指標に照らした一貫したフィードバックを受けられるなら、不確実性に対処することに費やす労力を減らし、意義ある仕事により集中できる。
共感を持ってリードする
家庭と仕事の責任を両立させること自体が容易ではないが、リモートワーク環境はその境界線を曖昧にする。子どものサッカーの試合、医師の診察予約、クライアントとの電話などが重なり、従業員が同時に2つの場所にいなければならないような状況もしばしば発生する。
リーダーは、そうした現実を無視するのではなく認めることで信頼を築く。共感あるリーダーシップとは、可能な範囲で柔軟な勤務時間を設け、学齢期の子どもを持つ従業員や医療上の問題を抱える従業員を支援することを意味する。
それはまた、従業員を単なる同僚としてではなく、一人の人間として気にかけることでもある。時には、Slackでの簡単なメッセージや、思いやりのある週次の会話だけで、従業員は自分が見てもらえている、支えられている、大切にされていると感じられる。
組織が、従業員をそれぞれの課題や状況を抱えた人間として認めるとき、より強く、つながりがあり、持続可能なカルチャーが生まれる。
成功を称え合う
従業員は、チームメイトやマネージャーから認められることを望んでいる。大口顧客の獲得や、優れた成果を称え合うことは、士気を高め、帰属意識を醸成する上で非常に効果的だ。
週次ミーティングでは、個人とチームの目標を取り上げる時間を設け、誰もが注目を浴びる機会を得られるようにする。月次または年次の全社会議にも、チームメンバーを紹介し、組織全体に対する貢献をたたえる時間を明確に組み込むべきである。
こうした瞬間は、多くのリーダーが認識している以上に重要だ。ギャラップ社の調査によると、適切に承認(評価)されている従業員は、2年後の離職率が45%低くなるという。これは定着率の改善に寄与し、長期的で健全な企業文化の構築につながる。
おわりに
リモートワークがカルチャーを形骸化させるのではない。不適切な仕組みや不透明なリーダーシップがそれを招くのだ。透明性、説明責任、共感、そして承認を重視する組織は、生産性が高いだけでなく、深いつながりを持ったリモートカルチャーを構築することができる。
従業員が信頼され、支えられ、一人の個人として見てもらえていると感じるとき、どこからログインしているかに関係なく、最高の仕事をする。長期的に見れば、その信頼は従業員とビジネスの双方に利益をもたらす。



