リーダーシップ

2026.07.23 13:26

他者に破壊される前に自らを破壊せよ ── ビートルズに学ぶ現代CEOの再創造術

Adobe Stock

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1964年4月4日、ビートルズはチャートのトップ5すべてを独占するという前代未聞の偉業を成し遂げた。「キャント・バイ・ミー・ラブ」「ツイスト・アンド・シャウト」「シー・ラブズ・ユー」「アイ・ウォント・トゥ・ホールド・ユア・ハンド」「プリーズ・プリーズ・ミー」の5曲だ。多くのバンドや企業であれば、そのまま成功の方程式に固執し、ナンバーワンヒットの波に数年間乗り続けるだろう。しかしビートルズは正反対のことをした。曲ごとに自らを再創造し、創造的破壊を体現しながら、その過程ですべてを高め、新たなロックンロールの原型を作り上げたのだ。

今日、企業がいかに自己変革を遂げられるかを考えるにあたり、まったく異なる業界の4人のリーダーを紹介したい。UPS、KIND、ビルド・ア・ベア、イーサン・アレンのリーダーたちが、自らの業界を再創造するために活用できる3つの概念を語る。

1. 他者に破壊される前に、自らを破壊せよ

変革はもはや一時的な取り組みではない。それはリーダーシップに課された恒久的な責任である。

UPSの最高戦略責任者マット・ガフィーは、CEOが問うべき最も危険な質問は「今持っているものをどう守るか」だと考えている。代わりに彼が問うのはこうだ。「破壊される前に、いかに自らを破壊するか。我々が良い水準にはあるが、まだ偉大とは言えない領域で、投資すべき分野はどこか。過去120年間のUPSではなく、次の120年を導くUPSを再構想しなければならない」

同じマインドセットがビルド・ア・ベアを、ブレグジット、小売業界の衰退、コロナ禍、関税、そして急速に変化する消費者の期待を乗り越えて成長させ、世界水準の株主リターンをもたらしてきた。ビルド・ア・ベアのCEO、クリス・ハートは、破壊を単に生き延びるべきものとは見なさない。「我々は常にこうした試練を、事業を成長させ強化する機会として捉えてきた」と彼は語る。「ビルド・ア・ベアからは詰め物を叩き出せない、つまり我々を打ちのめすことはできないと学んだ。あらゆる試練が我々にイノベーションを強い、同時に我々を唯一無二たらしめるものを守り維持してきた」

イーサン・アレンの会長兼CEO兼社長であるファルーク・カスワリは、41年間にわたり継続的な自己変革を実践してきた。イーサン・アレンは製造、物流、店舗デザイン、テクノロジー、カスタマイズを変革してきた。会社が失敗していたからではなく、リーダーシップが現状に安住することを拒んだからだ。

カスワリはこう語る。「この絶え間ない自己変革が、会社のあらゆる領域に及んできた。もしそれをしていなかったら、我々は今存在していないだろう。規律を伴う起業家精神の文化を築くことが、我々が成し遂げたすべての鍵だった」

教訓は明確だ。存続する企業とは、市場が挑戦を突きつけるはるか前に、自らに挑む意志を持った企業である。

2. AIとテクノロジーで人を増幅させる

人工知能はあらゆるビジネスモデルを変えつつある。しかし、ここで紹介するリーダーの誰一人として、テクノロジーだけが持続的な優位を生み出すとは考えていない。

KIND北米CEOのダニエル・カルデローニは、AIが進化するほどCEOの役割はますます重要になると考える。「CEOの仕事はシンプルだ」と彼は言う。「大きな夢を描くこと。その夢を実現する適切なチームを揃えること。そして、彼らが実行できる場を作ることだ」

クリス・ハートは、多くのCEOが見落としがちな領域、すなわち顧客との出会いをAIが変革していると見ている。「AI検索でどう表示されるかは完全に変わった」と彼は説明する。「ウェブサイトの文言、語るストーリー、さらには画像までも進化させる必要がある。もちろん我々もそれに合わせて調整しているが、全体的な優位性は変わっていない。ブランドを牽引するのは製品ではなく体験だ」

カスワリはこう総括する。「テクノロジーと人的サービスの融合が、事業のあらゆるレベルで極めて重要だった」。イーサン・アレンは製造、デザイン、物流の全体でテクノロジーを積極的に取り入れているが、同時に人間関係にも多額の投資を続けている。テクノロジーは人を置き換えるのではなく、人を強化すべきだからだ。

AIはますますタスクを担うようになる。リーダーシップはますます人を鼓舞するようになる。抜きん出る企業は、最も多くのテクノロジーを持つ企業ではない。テクノロジーを人間の判断、創造性、信頼と組み合わせる方法を知るリーダーを擁する企業だ。

3. 目的と一致した文化こそ究極の競争優位

テクノロジーは購入できる。製品は模倣できる。しかし目的に根ざした文化は模倣できない。

カルデローニは、文化は従業員が実際に意思決定に用いる目的から始まると信じている。「KINDでは目的を軸にリードしている」と彼は語る。「我々の目的は、より優しく健康的な世界を創ることだ。この目的が、採用、イノベーション、意思決定、人との接し方すべてを導く。人こそが我々の最も重要な資産だ」

UPSは信頼を軸に文化を築いてきた。ガフィーはこう述べる。「信頼は、荷物ひとつ、顧客ひとり、地域ひとつと積み重ねて得られるものだ。その目的を毎日全うすることを人々に託せる文化を築くこと、それが偉大な企業を差別化する」

ビルド・ア・ベアの目的も同様に明確だ。「我々のミッションは、人生にもう少しの心を加えることだ」とハートは説明する。「多くの企業が製品を売ることができる。しかし、彼らが容易に真似できないのは、思い出を生み出す我々のような体験だ。だからこそビルド・ア・ベアではあらゆる場面で体験を最優先に置いている」

カスワリはイーサン・アレンにおける画期的な規律モデルを通じて文化を強化する。「毎週、40人の上級リーダーが5つの領域、すなわち人材、マーケティング、サービス、テクノロジー、社会的責任について報告する」。これらの対話は、イーサン・アレンの経営システムの一部となっている。

AIによって形作られる度合いが増していく世界において、最大の皮肉はおそらくこうだ。抜きん出る企業は、最も人間的な企業になるだろうということである。

次の10年をリードするCEOは、単に破壊に反応するだけではない。彼らは自ら破壊を生み出す。テクノロジーを、人を貶めるためではなく高めるために用いる。そして、目的に深く根ざした文化を築くことで、競合が製品は模倣できても組織は決して複製できないような企業を作り上げる。それこそが、偉大なリーダーが破壊される前に自らを破壊する方法である。

forbes.com 原文

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