中国は五カ年計画で最大の使い手と供給者になった
この話題に差し迫った論点があるとすれば、それは国家戦略だ。
中国は、世界の産業用ロボットの約54%、およそ200万台を保有している。しかも、これは偶然の産物ではない。ロボティクスの最大の利用国かつ最大の供給国になることを目指し、数十年にわたって五カ年計画を積み重ねてきた結果だ。
そして中国は、その両方でほぼ成功を収めている。
米国は、かつてこの勝負に敗れた
米国は、かつて同じ状況に立ち、そして敗れた経験がある。ロボティクスは米国で生まれた技術だ。世界初の産業用ロボットは1961年にUnimationが設置し、1960〜70年代には100社を超える米国企業が競い合っていた。ところが日本が国家戦略を打ち立てる一方で、ワシントンは何もせず、産業は海外へ移っていった。米国に残ったロボット企業は、実質的に1社だけだった。
バーンスタインの主張はこうだ。ヒューマノイド、自律移動ロボット(AMR)、協働ロボットアームといった新しい形態の登場によって、競争の場は再び大きくこじ開けられた。これは米国にとって2度目のチャンスであり、今度こそ取りこぼすわけにはいかない。心強いことに、国家ロボティクス委員会(National Robotics Commission)を設置する法案が議会に提出されつつあるという。それが実を結ぶかどうかは、まだ分からない。
家庭で成功したロボットは掃除機だけだ
では、バーンスタイン自身は自宅にヒューマノイドを置くだろうか。
「ちょっと想像できませんね」と彼は言う。
ロボティクスの先駆者ジョー・エンゲルバーガーと、アイロボットのコリン・アングルが大論争を繰り広げてから30年。家庭用ロボットとして大規模な成功を収めたのは、ただ1つ、ロボット掃除機だけだ。「安価で単機能」に賭けたアングルが正しかったのである。
2万ドル(約326万円)で洗濯物をたたむヒューマノイドとなると、売り込みはさらに難しい。「洗濯物は自分でたためますから」とバーンスタインは言った。「そんなロボットは要りません」。


