ロボット販売が増えると失業率は下がる
こうなると当然、雇用の問題が浮上する。
筆者がポッドキャスト「Next with John Koetsier」で語ってきた筋書きはこうだ。AIはホワイトカラーの仕事を、ロボットはブルーカラーの仕事を奪いに来ている。そして最終的には、誰もがユニバーサル・ベーシックインカム(全国民への一律現金給付制度)のようなもので暮らすことになるのかもしれない──。
本当に雇用を殺すのはロボットではない
だがバーンスタインは、1983年からこの「ロボットと雇用」の質問に何らかの形で答え続けてきた。そして、彼の持つデータは逆の結論を示している。
A3は30年以上にわたり、ロボット販売台数と米国の雇用の推移を突き合わせてきた。浮かび上がったパターンはこうだ。ロボットの販売が伸びると、失業率は下がる。ロボットの販売が落ち込むと、失業率は上がる。理屈は単純で、自動化に踏み切った企業は生産性が高まり、より多くの仕事を獲得し、より多くの人を雇うからだ。
本当に雇用を奪うのはロボットではないと、バーンスタインは言う。
競争力を失うことだ。
彼は、1980年代に企業が迫られた選択を3つの言葉で言い表す。「自動化するか、海外移転するか、消滅するか(automate, emigrate, or evaporate)」。多くの企業は安い労働力を求めて海外へ出て行き、結局は消滅した。その一方で、現在の米国では約50万人分の製造業の職が埋まらないままであり、バーンスタインによれば、この数は2033年までに190万人に達すると予測されている。
つまり、問題は仕事が足りないことではない。倉庫で1日10マイル(約16キロ)も歩いて箱を運びたいと考える人が減っていることだ。仕事は、機械を監督し、設置し、保守する方向へと移っていく。「SEOスペシャリスト」や「iPhoneアプリ開発者」といった職業が一世代前には存在しなかったのと、同じ構図だ。


