今夏、ニューヨーク・タイムズのアップショットは「働く親たちは時間をめぐる負け戦を強いられている」と題する記事を掲載した。この記事はピュー・リサーチ・センターの調査を引用し、フルタイムで働く親の60%が「子どもと過ごす時間が十分ではない」と回答し、約60%が「パートナーと過ごす時間が十分ではない」と回答したと伝えている。特に女性は時間的な圧迫感がより強く、約4分の3が「趣味に費やす時間が足りない」、3分の2が「リラックスする時間が足りない」と答えている。
これらの結果は、テクノロジー、リモートワーク、そしてスマートフォンによって仕事と家庭の境界が曖昧になった労働市場についてのおなじみの語りとよく合致する。こうした説明は的を射ている。しかし、ナレッジワーク(知識労働)に従事する多くの働く親にとっては、それだけでは全体像を捉えきれないかもしれない。
ナレッジワーカーは考えることを生業とする。複雑な問題を解決し、判断を下し、自らの専門性を通じて価値を生み出す。また多くの場合、自分の仕事をどう組み立てるかについて、かなりの裁量を持っている。勤務時間が主に雇用主によって決められる労働者と比べると、いつ、どこで働くかをより大きくコントロールできることが多い。それでもなお、多くの人が慢性的に時間不足を感じている。
私の経験から言えば、その理由の一つは見過ごされがちだ。すなわち、価値創造が不明確であることが時間的圧迫を悪化させているのだ。
どの活動が最大の価値を生み出すかが明確でないと、緊急性が既定の判断基準になってしまう。メール、会議、依頼、事務作業のすべてが同じくらい重要に見えてしまう。カレンダーは埋まっていくが、必ずしも最大の価値を生む仕事で埋まっているわけではない。その結果として生じるのは単なる生産性の低下ではない。「時間が常に足りない」という慢性的な感覚だ。
その感覚は私にも身に覚えがある。キャリアの初期、私はすべてをうまくこなそうとして、常に時間が足りないと感じていた。あらゆる責務を同じくらい重要なものとして扱っていたのだ。
転機となったのは、自分はすべてをやるために雇われたのではなく、価値を創造するために雇われたのだと気づいた瞬間だった。
1日の時間が突然増えたわけではない。組織にとって自分がどこで最大の価値を生み出しているのかが明確になったのだ。その明確さが、何に注意を向けるべきかの判断を変え、はるかに重要度の低い仕事に費やされていた時間を取り戻す助けとなった。
もしあなたがナレッジワークに従事する働く親で、時間を取り戻したいと考えているなら、始めるべきは新たな生産性システムではない。自分の仕事の捉え方について、以下の3つの転換を行うことだ。
1. どこで価値を生み出しているのかを明確にする
最初のステップは、自分がどのように価値を生み出しているのかを理解することだ。
すべての仕事が組織のパフォーマンスに同じように貢献しているわけではない。ある活動は組織を回すためのものであり、別の活動は不釣り合いなほど大きな価値を生む。営業担当者にとっては、新規顧客の獲得がそれにあたるかもしれない。研究者にとっては、重要な意思決定を左右するインサイトを生み出すことかもしれない。非営利団体の経営者にとっては、資金調達や戦略的パートナーシップの構築かもしれない。
問題は、ナレッジワークにおいて価値がめったに明確な形では現れないことだ。
職務記述書は、私たちが何に責任を負うかは教えてくれる。しかし、どの責務が最も重要かはめったに教えてくれない。どこで最大の価値を生み出しているかも示してくれない。それを知るには、判断力、上司や同僚との対話、そして自らの能力が組織の成功にどう貢献しているかについての明確な理解が必要だ。
その明確さがなければ、緊急性が空白を埋めてしまう。
目の前のメールに返信し、次の会議に出席し、次の書類を確認し、次の依頼に応える――どれも同じくらい重要に見えるからだ。反応的な仕事が膨張し、最大の価値を生む仕事は夜間や週末、あるいは「時間ができたら」に押しやられていく。
問題はナレッジワーカーが真剣に働いていないことではない。多くの人が、限られた注意をどの仕事に向けるべきかを判断する明確な基準を持っていないことだ。
自分がどこで最大の価値を生み出しているかが明確になればなるほど、最も重要な仕事のための時間を守ることが容易になる。
2. 高付加価値の仕事により多くの時間を割く
価値を生み出す領域が明確になったら、次のステップは、その活動により多くの時間を割り当てることだ。
私たちの多くは、時間管理や生産性についてのトレーニングを受けてきた。しかし、価値創造を軸に時間を組み立てる方法を学んだ人ははるかに少ない。
キャリアの初期、私はメールに縛られ、頻繁に会議に出席し、出張も多かった。忙しくはあったが、その活動の多くは、組織にとって最大の価値を生む仕事――新たなインサイトの発信や、影響力の拡大に必要な資金調達につながるコンセプトの開発など――を締め出していた。
ピュー調査に登場した多くの働く親と同様、私も仕事と家庭の責務のあいだを絶えず行き来していた。注意が絶え間なく切り替わることで、私はどちらの場でも失敗しているような感覚に陥っていた。
やがて私は、自分が80対20の法則を逆向きに適用していたと気づいた。ディープワークについてのカル・ニューポートの著作に影響を受け、緊急性に1日を支配させるのではなく、不釣り合いなほど大きな価値を生み出す比較的少数の活動のために時間を確保するようになった。
あらゆるタスクを同等に価値あるものとして扱うのをやめ、価値創造を軸に時間を組み立てるようになると、私は自分の時間をはるかにコントロールできていると感じられるようになった。
3. 価値を生む仕事で卓越した存在になる
最終ステップは、最大の価値を生む仕事において卓越した存在になることだ。
そのためには、考え、学び、実践するための持続的で中断されない時間が必要となる。私にとっては、読書、執筆、アイデアの構築のために就業時間中に時間をブロックし、それらを夜間や週末に押しやらないようにすることを意味した。
当初は、メールへの返信を遅らせると反応が鈍いと思われるのではないかと心配した。だが実際には、その集中した時間のおかげで、教育・訓練システムにおける機会の構造や、経済的な階層移動を経験するのは誰でありなぜなのかについて、独自の視点を築くことができた。
やがて、私に寄せられる依頼は、日常的な業務ではなく、その専門性に関わるものが増えていった。仕事はより一貫性を持つようになり、コンテキスト・スイッチも減った。最大の価値を生み出す仕事により多くの時間を費やすようになったのは、それが周囲から期待されるものへと徐々に変わっていったからだ。
それでも、仕事と家庭がぶつかる日はある。就業時間中に矯正歯科の予約に出かけたり、業者との打ち合わせに出向いたりしなければならないこともいまだにある。自分がどこで価値を生むかを明確にしても、こうした現実はなくならないし、時間的圧迫のすべての原因が解消されるわけでもない。しかし、意味のある自律性を持つナレッジワーカーにとっては、見過ごされがちな一因を減らすことはできる。
ナレッジワーカーが時間を取り戻すのは、単に時間をより効率的に管理することによってではない。自分がどこで最大の価値を生み出しているのかを明確にし、それに沿って時間を組み立てることによってなのだ。



