「各社の第3四半期決算報告が集中した10月は、その2か月前と比較すると、利益確定売りが多く見られました」と、取締役の二コール・シェロッドは述べた。
ファストフード大手、米マクドナルドも投資家らが売りに出した銘柄の一つだ。マクドナルドは「いつでも朝食キャンペーン」を全米店舗で展開するなど、業績回復への取り組が功を奏し、直近の決算報告では既存店売上高が過去2年で初めて右肩上がりとなった。投資家らは同社株の利益確定を行ったと見られる。
他にも、10月の売り銘柄にはマイクロソフト、ゼネラル・エレクトリック、コカ・コーラなどが名を連ねた。「8月の大暴落のショックが冷めやらない中、急速にここまで持ち直したが、先行きは依然不透明です。このタイミングで利益を確保しておきたい意図を反映しています」とシェロッド氏は指摘した。
一方で、投資家らの「買い」銘柄となったのが米ディズニー社の株で、3か月連続で買い注文が集まっている。8月の第3四半期決算報告で、同社のドル箱となっているスポーツ専門チャンネルESPNの契約者数が減少したとする経営者の発言を受けて株価が下落し、メディア株全般がその余波を受けて暴落したが、その後ディズニー社の株価は16%持ち直している。
「個人投資家はディズニーが好きなのです。ディズニー株が少しでも下落すると、懸念材料を上回る良い評価ですくい上げてもらえる」とシェロッド氏は、『スター・ウォーズ』最新作にかかる期待の大きさや、テーマパーク事業の好調ぶりにふれつつ語った。
その他の買い銘柄としては、ウォルマートとアマゾンもあげられる。ウォルマートは、業績悪化と先行き不透明感から、先月の株価は15年来最悪の大暴落という結果を招いた。これを取り戻すには相当な経営努力と消費の伸びが必要だが、小売業界に君臨する巨大企業は長期的に見れば、何らかの策を講じるはずだ。
「投資家は、再建策による業績回復に期待しています」とシェロッド氏は言った。
米アマゾンは、先月行った決算報告で2期連続の増収を報告し投資家らを驚かせた。アマゾン・ウェブサービス(AWS)が好調な業績を牽引している。
全体的に見れば10月は市場全体で非常に好調な月となった。S&P 500は9%上昇、ナスダック平均は11%高、NYダウ平均は7%高と、過去4年間で最高の結果を残した。ボラティリティ指数も堅調で、8月の5.24から9月には4.76まで下がり、10月には4.79で推移している。