資産運用

2026.07.23 12:51

資産形成を後押しする賢いお金の習慣、金融専門家20人の提言

Adobe Stock

Adobe Stock

お金の管理とは、単に収入を増やすことだけではない。すでに手元にある資金を使って、より良い決断を下すことだ。高金利の負債の返済から、緊急時の蓄え、ライフスタイルのインフレ(肥大化)の防止まで、今日の財務習慣が明日の経済的安定を左右することが多い。

以下では、Forbes Finance Council(フォーブス・ファイナンス・カウンシル)の主要な専門家たちが、消費者が陥りがちな共通の過ちについて議論し、長期的な資産形成を支えるより健全なマネー習慣を築く方法を解説する。

1. 問題が深刻化する前にキャッシュフローを測定する

測定されるものは管理される。気づかれないものは深刻化する。今日、消費者が犯している最大の過ちは、これまでのライフスタイルを維持するために貯蓄や借金を利用していることだ。キャッシュフローが逼迫すると、貯蓄が緩衝材となり、借金がそのギャップを埋めることになる。一方で、後払い(BNPL)決済やサブスクリプション、手軽なデジタル決済が、気づかないうちに固定費化していく。時間の経過とともに、財務的な回復力は損なわれていく。 ─ アリア・ヌールAhmad Alagbari Chartered Accountant

2. 借金を長期的な財務目標に適合させる

借金は必ずしも負担とは限らない。それは投資にもなり得る。貯蓄が常に賢明な判断の証拠であるとも限らない。負債のないバランスシートは安全に感じられるかもしれない。しかし、より大きなものを築いたり、長期的な目標を追求したり、将来の価値を創造したりするのに役立つのであれば、借入は正しい選択になり得る。むしろ問うべきは、「自分は何を達成しようとしており、その目標を最もよく支える財務構造は何か」ということだ。 ─ レチ(リチャード)・チャンStonelake Capital

3. ライフステージに応じて財務の優先順位を調整する

最大の過ちはライフステージによって異なる。社会人になりたての頃は、早期の使いすぎ、過度な借金への依存、貯蓄の先送り。キャリアの中期は、生活水準の向上によって財務規律が乱れ、高金利の借金を抱えること。定年退職が近づく頃は、不要な負債を抱え、流動性を犠牲にして過度な支出をしてしまうこと。退職後は、取り崩し計画の失敗、回避可能な借入の発生、そして固定収入や貯蓄で賄える以上の支出をしてしまうことだ。 ─ シンシア・ヘミングウェイFourlane, Inc.


Forbes Finance Council(フォーブス・ファイナンス・カウンシル)は、会計、財務計画、資産管理などの分野で成功を収めている企業の幹部を対象とした、完全招待制の組織である。参加資格はあるか?


4. 最悪の状況を想定する前に、返済条件の交渉を行う

多くの消費者は、借金は自分ではどうにもできない、あるいは債務整理会社しか助けてくれないと思い込んでいる。しかし、債権者は返済条件や金利の直接交渉に喜んで応じてくれることが多い。最大の過ちは、前進するためには完璧でなければならないと信じ込むことだ。たとえ少額であっても、戦略的に借金を返済し、一貫して貯蓄を築くことが、長期的な財務の安定につながる。 ─ ナイキ・アジャオOneBarrow Corp.

5. 感情的な支出を防ぐ仕組みを作る

真の犯人は何か。それは「考えないこと」だ。感情的に借金をし、その場では貯蓄を任意のものと捉え、衝動に駆られて支出してしまう。最大の財務上の過ちは知識の欠如ではなく、感情による支配だ。感情が家計簿を支配すると、論理は敗北する。自制心とは意志の強さのことではない。自分自身から自分を守るための仕組みを作るということだ。 ─ パラブ・シャルマEvoluteIQ Inc.

6. お金の決断を人生の目標と一致させる

現在、消費者にとって最大のチャンスは、お金に関する決断を単なる数学の問題ではなく、人生の決断として捉えることだ。借金、貯蓄、自由裁量の支出は、望む人生を創り出すためのツールである。お金の選択が自らの目標や価値観と一致したとき、お金は単に管理するものから、自分を前進させてくれる存在へと変化する。 ─ ジョン=ジョン・ネップKnepp Wealth Management

7. 投資をタイムホライズンに適合させる

私が目にする最大の過ちは、資金をタイムホライズン(投資期間)に適合させていないことと、支出を適切に把握していないことだ。何年分もの生活費を現金で保有している人を多く見かける。現金は新型コロナウイルスの世界的流行以降、その価値の20%以上を失っている。また、自由裁量の支出を適切に追跡せず、使いすぎている人も多い。私はクライアントに対し、資産の統合を考えるだけでなく、支出に使う手段を1つの発行元に統合し、支出を追跡するために利用することを勧めている。 ─ マイケル・ゲイナー、Wells Fargo Advisors

8. 経済的な低迷にいち早く備える

消費者は、好景気が永遠に続くと考える過ちを犯している。経済は一種のマニア(熱狂)を経験しているが、歴史的に見て、これが良い結果に終わることはめったにない。マニアのサイクルにおいて、人々は帳簿上で豊かになり、分不相応な暮らしをしがちだ。歴史的には、ブラック・スワン(予測不可能な事態)が発生して人々は不意を突かれ、壊滅的な打撃を被ることになる。だからこそ、備えを怠らず、利益を確定させ、この熱狂が永遠に続くとは思わないことが重要なのだ。 ─ デビッド・カパブランカFriendly Bear University

9. 月々の支払額ではなく、総コストに焦点を当てる

消費者は月々の支払額にばかり気を取られ、財務上の総合的な影響を十分に考えていない。自動車や旅行、日々の買い物のためにローンを組むと、一見手が届く支出のように感じられるが、将来の貯蓄能力は静かに削られていく。 ─ ジェフ・ハンセンCapstone Financial Advisors

10. 個人用のキャッシュフロー・システムを構築する

消費者が自分の財務状況を把握できていないのは、月々の収入、支出、可処分所得を概説するシステムがないからにすぎない。個人のキャッシュフロー計算書を作成すれば、毎月どれだけの資金が入ってきているかが明らかになり、固定費か変動費かを問わず支出が細分化される。これを毎月行うことで、消費者はレベルアップして借金を管理し、貯蓄を増やし、自由裁量の支出を最小限に抑えられるようになる。 ─ イライジャ・マッコイMcCoy Brokerage Service, Inc.

11. 高金利の負債を最優先で完済する

消費者は、他の負債に目を向ける前に高金利の負債を完済することを意識していない。金利25%のクレジットカードを抱えながら貯蓄に励んでいる人がいれば、まずはその高金利の負債を返済することに集中すべきだ。あるいは、複数の負債を並行して長期的に返済するのではなく、最も金利の高い負債の完済にまず集中し、その後に次の負債へと移るべきである。 ─ ザカリー・W・ヘルツォークWolfgang Capital LLC

12. ライフスタイルのインフレによる資産の流出を止める

今日、多くの人が3つの大きな分野で失敗している。高金利のクレジットカードや後払い(BNPL)の債務を累積させていること、基本的な緊急資金すら維持していないこと、そしてデジタル決済やサブスクリプションの利便性が高すぎるために過度な支出をしていることだ。これにキャッシュフローに対する認識不足、ライフスタイルのインフレ、そしてクレジットカードを予備資金として頼る姿勢が加われば、あっという間に長期的な財務的ストレスへと発展する。 ─ アミット・シンガニアKrystal Financial Consultants LLC

13. ライフスタイルをアップグレードする前に手元資金を蓄える

生活水準の向上が財務的な進歩を上回ってしまうのは問題だ。収入が増えると、多くの世帯が高金利の負債を抱え、緊急資金への充当を怠りながら、自由裁量の支出を増やしてしまう。経済的な先行きが不透明な時期には、将来の収入増が今日の財務上の問題を解決してくれると仮定するのではなく、手元資金を蓄え、高金利の債務を返済し、意図的な支出判断を下すことを優先すべきだ。 ─ ナサニエル・ティルトンTilton Wealth Management

14. 負債に対して能動的なアプローチをとる

最大の過ちは以下の通りだ。負債への対応が遅すぎること、低利回りの口座に貯蓄を放置していること、そして明確なキャッシュフロー計画なしに支出を削減すること。消費者は能動的になり、早い段階で債務を見直し、合理的な緊急資金を維持し、規律を持ってお金を使う決断を下す必要がある。 ─ マキシム・コーエンThe UK Finance Group

15. 貯蓄と投資を早い段階から自動化する

支出用資金ではなく、緊急用の資金を築くことだ。無価値な支出をカットし、まずは高金利の負債から叩く。次に、投資によって資産の構築を始めること。開始するのに何千ドルも必要ない。少額投資であっても、時間をかければ複利効果が生まれるからだ。貯蓄と債務返済を自動化しよう。サブスクリプションを精査し、解約できるものは解約して、その資金を返済や投資に回すことだ。 ─ ジャスティン・ドナルドLifestyle Investor

16. 負債返済と貯蓄を戦略的に順序づける

最大の過ちは、借金、貯蓄、自由裁量の支出を別々のバケツとして扱うことだ。これらはつながっている。高金利の負債を抱えながら低利回りで貯蓄をすることは、多くの場合、お金をゆっくりと失っているだけにすぎない。まずは高金利の負債の解消を最優先し、次に貯蓄を自動化し、残ったお金で自由裁量の支出を賄うようにする。シンプルな順序づけにより、大半のお金に関する後悔を防ぐことができる。 ─ ジャレッド・ウェイツUnited Capital Source Inc.

17. 流動性と長期的な資産形成のバランスをとる

私が目にする最大の過ちは、過剰な現金を手元に置きながら高金利の負債を抱えること、十分な緊急予備資金を構築できていないこと、および生活水準の向上(ライフスタイルのインフレ)が収入の伸びを上回ってしまっていることだ。あまりにも多くの人々が計画なしに支出をし、税効率の高い方法で貯蓄や投資を行う機会を逃している。負債の削減、流動性、そして長期的な資産形成のバランスをとる規律ある戦略が不可欠だ。 ─ アンドレ・ペニントンPennington Law

18. 「欲しいもの」と「必要なもの」を区別することを知る

最大の過ちの1つは、財務的な回復力を高める前に、生活水準の向上に焦点を当てることだ。不確実な経済環境において、消費者は自由裁量の支出を増やす前に、高金利の負債の削減、緊急用の貯蓄、そして「欲しいもの」と「必要なもの」の区別を優先すべきだ。 ─ ATM ラハット・モハマドSPONSOR (SCOP)

19. お金を1つの財務システムとして扱う

最大の過ちは、借金、貯蓄、自由裁量の支出を、同じ財務システムの一部としてではなく、別々の決定事項として扱うことだ。多くの人が、低利回りの貯蓄を追い求めたり、野放しのライフスタイルインフレを放置したりする一方で、高金利の負債を維持し続けている。持続可能な資産は、金利負担の大きい負債を優先的に処理し、緊急予備資金を維持し、支出が短期的な衝動ではなく長期的な財務目標と一致するようにすることで構築される。 ─ ファウスティノ・ジュニオールFG Investimentos

20. 明確な財務の優先順位(ヒエラルキー)を策定する

消費者は借金を当たり前のものとして扱い、貯蓄を任意のものと捉え、自由裁量の支出を自分へのご褒美だと思っている。これは資産を破壊するマインドセットだ。最大の過ちは何か。それは「優先順位がないこと」である。まず高金利の負債を支払い、支出の前に貯蓄を自動化し、サブスクリプションを徹底的に精査すること。財務規律は制限ではない。それは意図的に設計された自由なのだ。 ─ トマス・ミラルEqvista Inc.


ここに提供される情報は、投資、税務、または財務に関するアドバイスではない。個別の状況に関するアドバイスについては、資格を有する専門家に相談されたい。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事