バブ・エル・マンデブ海峡の重要性
原油輸送の要衝の1つであるバブ・エル・マンデブ海峡が閉鎖されることになれば、世界貿易の混乱が一段と深まる可能性がある。米エネルギー情報局(EIA)によると、2024年には日量推定410万バレルの石油製品が同海峡を通過した。これに対し、国際エネルギー機関(IEA)のデータでは、2025年にホルムズ海峡を通過した原油量は日量約2000万バレルだった。
バブ・エル・マンデブ海峡は、産油国がアジアへ原油を輸送するための代替ルートの1つだ。ABCニュースが海運情報分析会社ケプラーのデータを引用して伝えたところによると、現在、サウジアラビアの紅海沿岸の港であるヤンブー市にはパイプラインを通じて日量約700万バレルの原油が輸送されている。ヤンブーに到着した原油は、その後紅海やバブ・エル・マンデブ海峡を通過する。
サウジアラビアは先日、イランによるものと見られるミサイルやドローンの攻撃を受けたパイプラインの送油能力を、戦前の水準である日量約700万バレルまで回復させたと発表したが、そのわずか数日後には米国がホルムズ海峡の海上封鎖を発表していた。
アナリストが警戒する、ガザ戦争型の攻撃再開
フーシ派は現時点でバブ・エル・マンデブ海峡での攻撃を実施していないが、イスラエルに対してはミサイル攻撃を行っている。しかし、ポリティコやアルジャジーラの取材に応じたアナリストらは、ガザ戦争時に実施された大規模な攻撃と同様に、同海峡でも船舶への攻撃が開始される可能性があるとしている。今年3月、イランのタスニム通信はイラン軍関係者の言葉を引用し、米国がイランのカーグ島を攻撃した場合にはバブ・エル・マンデブ海峡と紅海において「治安の悪化」が生じると警告していた。
AP通信の報道によると、スエズ運河を抜けてアジアへ向かう海上ルート上に位置するバブ・エル・マンデブ海峡は、原油を含む世界貿易全体の約12%を占めている。


