イエメンの親イラン武装組織であるフーシ派からの警告を受け、紅海で少なくとも7隻の石油タンカーが航路を引き返した。ロイター通信が報じた。この数日前にはフーシ派がバブ・エル・マンデブ海峡の海上封鎖を発表しており、ホルムズ海峡に並ぶ原油輸送の要衝が寸断される懸念が高まっている。
ロイター通信の報道によると、米国時間7月21日にインドと中国へ向かうタンカー3隻が航路を引き返したのに続き、22日にはさらに4隻の石油タンカーが同海峡を避けるよう進路を変更した。これらの船舶は現在、スエズ運河を経由した大幅な迂回ルートをとっている。
海運情報機関ロイズリストによると、バブ・エル・マンデブ海峡の反対側に位置するアデン湾でも、中国海運大手の中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)が運航する自動車搬送船が、サウジアラビアの港への航行を中止するよう求めるフーシ派からの警告メールを受け取り、進路を反転させた。
フーシ派は7月20日にバブ・エル・マンデブ海峡の封鎖を宣言した。これは、同組織がバブ・エル・マンデブ海峡付近にミサイルやドローンを配備したという事前の報道から数日後のことだった。ただし、現在までに同海峡や紅海で船舶が攻撃を受けたとの報告はない。
イランと緊密な同盟関係にあるフーシ派と、バブ・エル・マンデブ海峡
イランはこれまでも同海峡を閉鎖する可能性を繰り返し示唆してきた。今年4月、イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ師の顧問を務めるアリ・アクバル・ヴェラヤティは、Xへの投稿で、「バブ・エル・マンデブをホルムズ海峡と同等に捉えている」と主張した。
バブ・エル・マンデブ海峡はイランに接してはいないが、同国と強固な同盟関係にあるフーシ派が活動するイエメンには接している。フーシ派は2023年と2024年にガザ戦争への対抗措置として、紅海上のイスラエル関連船舶に対し数十回に及ぶ攻撃を行った経緯がある。
ミサイルやドローンを配備し、攻撃開始の命令を待っている
イラン高官2人と地域の関係者1人が先週ロイター通信に明かしたところによると、米国がイランの電力インフラへの攻撃を開始した場合に備え、イランは最近、フーシ派に対してバブ・エル・マンデブ海峡を閉鎖する準備を整えるよう要請したという。また、別の情報筋はロイター通信に対し、フーシ派は紅海を航行する船舶を標的にできるミサイルやドローンを配備し、攻撃開始の命令を待っている状態だと語った。
ドナルド・トランプ大統領は、橋梁、海水淡水化プラント、発電所などイランの民間インフラを標的にすると繰り返し警告している。フーシ派は先週、サウジアラビアがサヌア国際空港を攻撃したとして同国に向けてミサイルを発射したほか、イラン紛争の初期にもイスラエルの軍事目標に対する攻撃を実施していた。
ヴェラヤティは今年4月、「今日、抵抗の戦線の統合司令部は、バブ・エル・マンデブをホルムズ海峡と同等に見なしている」と記した。この「抵抗の戦線」とはイランが支援するゆるやかな武装組織の連合体である「抵抗の枢軸」を指しているとみられ、これにはイエメンのフーシ派、レバノンのヒズボラ、イラクのカタイブ・ヒズボラなどが含まれる。ヴェラヤティはさらに「ホワイトハウスがあえて愚かな過ちを繰り返すなら、世界的なエネルギーと貿易の供給網が一挙に寸断され得ることをすぐに思い知るだろう」と付け加えた。



